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韓国の仮想通貨「ルナ」99%下落に投資家パニック…開発会社代表の家族を身辺保護

登録:2022-05-14 04:56 修正:2022-05-14 08:05
ルナの下落による損失を表す画面=オンラインコミュニティよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓国の暗号資産(仮想通貨)としては珍しく一時世界で時価総額10位まで上り詰めた「ルナ(Luna)」の価格が、一週間で99%以上下がり、オンラインコミュニティにはルナに投資した人たちが被害を訴える文が相次いで掲載されている。韓国警察は、身元不明の男性が自宅に侵入しようとしたという開発会社代表の配偶者の通報を受け、通報者を犯罪被害者安全措置(身辺保護)対象者に指定した。

 13日、オンラインコミュニティにはルナに投資した人たちが自分の損失額を公開する掲示物が続々と登場した。ルナ投資家とみられるA氏は「ルナに1778万ウォン(約180万円、1ウォン=約0.1円)を投資したが、このうち99.9%が『蒸発』し、1万ウォン(約1000円)のみになった」として、暗号資産の取引所投資内訳をキャプチャーした画面を掲載した。彼は「1800万ウォンがたった2日で1万ウォンになった。恐怖心のあまり買い集めたが、それを上回る恐怖が待っていた」として、「1億8000万ウォン(約1810万円)を投じなかったのが不幸中の幸いだと思っている」と書き込んだ。

 価格の反騰を期待して「底値売買」に乗り出し、損失を被ったという経験談も多かった。また別のオンラインコミュニティ利用者のB氏は「11日、ルナ価格が8000ウォンの時に反騰を狙って100万ウォンを投資し始めた。 その後、騰落を繰り返すのを見て、融資金300万ウォンを含めて計3000万ウォンを注ぎこんだが、10万ウォンしか残っていない」と書き込んだ。C氏は「底値の売買を狙ってルナに投資し、2000万ウォンの損失を被った。利益に目がくらんで大事なお金を失った」と打ち明けた。D氏は「7年間コインに投資してきたが、このような状況は初めて」だと書いた。

 暗号資産価格情報サイトのコインマーケットキャップによると、今年4月に最高14万ウォンを突破したルナ価格は5日、10万ウォン以下に急落し始めた。13日午後2時現在、0.05ウォンで、1週間前に比べて99%以上下落した。最大50兆ウォンを超えた時価総額は3626億ウォンに減った。

 取引量基準で世界最大の暗号資産取引所のバイナンスは13日、ルナを上場廃止した。韓国の暗号資産取引所のビッサムやアップビット、ゴーパックス(GOPAX)も同日、上場廃止の方針を明らかにした。ゴーパックスは16日から、アップビットは20日から、ビッサムは27日からルナの取引ができなくなる。

 一方、ルナを開発したテラフォームラボのクォン・ドヒョン代表のソウル城東区(ソンドング)の家に12日午後6時20分頃、身元不明の男性が呼び鈴を押して逃げたという通報があり、警察が捜査に着手した後、この男性が自首するという事件も発生した。インターネットで暗号資産に関する映像を運営する放送人というこの男性は、マンションの共用玄関に無断で侵入し、呼び鈴を鳴らして、家にいたクォン代表の配偶者に「夫は家にいるか」と尋ねたことが分かった。この男性は事件発生後、自分の放送を通じて自首する意向を明らかにし「クォン代表の家を訪ねた。ルナに20億ウォンを注ぎ込んだ。お金を失ったうえ、前科ができるかもしれない」と語った。警察は来週、この男性を取り調べる方針だ。

チョン・インソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1042795.html韓国語原文入力:2022-05-1320:24
訳H.J

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