日本軍「慰安婦」被害者のキム・ヤンジュさんが亡くなった。享年98。
正義記憶連帯(正義連)は2日、慶尚南道昌原(チャンウォン)に在住していたキムさんが今月1日午後10時ごろ死去したと発表した。
1924年、全羅北道鎭安(チンアン)で生まれたキムさんは、両親の離婚後、母親と姉と一緒に慶尚南道馬山(マサン)に移住し、日雇い労働者として働いたのち、1940年秋ごろに日本軍の巡査によって満州に連れていかれた。日本軍「慰安婦」の被害者になったキムさんは反抗したところ暴行を受け、右耳の鼓膜を怪我し聴力を失った。植民地支配からの解放後、馬山に戻った故人は、赤ちゃんの世話や掃除、家政婦、日雇い労働者、商売などをしながら生計を立てたという。
故人は2005年、日本軍「慰安婦」の被害者として政府に登録された。昌原在住にもかかわらず、ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧日本大使館で開かれる水曜デモに参加し、日本軍性奴隷制問題の解決に向けた活動をしてきた。キムさんが亡くなったことで、現在日本軍「慰安婦」被害者240人のうち生存者は11人になった。
チョン・ヨンエ女性家族部長官は同日、立場を表明し、「キム・ヤンジュさんは長い間、老病で苦しんだ。生前に多くの波風を経験されたキムさんが安らかに眠られることをお祈りする」とし、「政府に登録された被害者のうち生存者は11人のみとなった。女性家族部は日本軍『慰安婦』被害者の方々が安らかな余生を過ごせるよう支援する一方、被害者の名誉と尊厳回復のための事業も積極的に推進する」と述べた。
故人の葬儀は市民社会葬で行われる。霊安室は馬山医療院の葬儀場に設けられ、出棺は4日午前8時。