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立法手続き無視し、派閥内の内紛も浮き彫りに…大統領選挙の敗北を忘れた韓国与党

登録:2022-04-22 06:36 修正:2022-04-22 08:11
共に民主党のパク・ホングン院内代表が今月21日、国会で開かれた政策調整会議で発言している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 共に民主党が「偽装離党」まで敢行し、「検察捜査権分離」法案を推し進めていることについて、党内外から批判が高まっている。巨大与党が「速度戦」を掲げ、国会法が規定した手続き的民主主義まで損なっているという批判だ。さらに、地方選挙の公認過程では派閥間の軋轢の兆しがみえるなど、民主党が大統領選挙後の省察と刷新に失敗したという指摘だ。

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「小を貪りて大を失う」「これは本当に正しいことなのか」

 共に民主党は21日、「検察捜査権分離」法案を4月中に処理することを重ねて公言し、案件調整委員会の審議→法制司法委員会全体会議→国会本会議まで「一瀉千里」の通過を強調した。パク・ホングン院内代表は同日午前、政策調整会議で、「検察正常化を4月の国会内で必ず処理する」とし、22日に本会議の招集を議長に要請した。

 しかし、「検察捜査権分離」法案を処理する過程で、民主党は便法と小細工を繰り返している。検察の捜査・起訴権を分離する内容の検察改革は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の政策方向だが、十分な熟議もなく、文大統領の任期内に処理しなければならないという「目標期限」だけが残っている状況だ。これに先立ち、党指導部は「国会法手続きを守る」と述べたが、自党出身のヤン・ヒャンジャ議員を国会法司委に補任したのに続き、前日にミン・ヒョンベ議員まで離党させる手口を選んだ。非交渉団体に割り当てられる調停委員になることを狙ったものだが、明らかに手続き的正当性を無視した行為だ。

 民主党のパク・ヨンジン議員は同日、フェイスブックの書き込みで「検捜完剥(検察の捜査権完全剥奪)のための状況論理、苦渋の決断という言葉は、原則を破り『貪小失大』(小を貪りて大を失う)となる」と指摘した。非常対策委員のイ・ソヨン議員も「捜査・起訴分離という法案の目的が正当だとしても、便法を動員して国会法の趣旨を損なってまで強行する今の状況は、2年前の衛星政党創党の時と変わらない」とし、「国民にこれが正しいことだと説明する自信がない」と述べた。時代精神研究所のオム・ギョンヨン所長は、「検察改革の必要性を国民に説得し、対話することが政治の過程であり、民主主義を実践する道だ」とし、「今の民主党のやり方は原則と正道ではなく近道を選ぶものだ」と述べた。

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「刷新に関心なく、派閥内の存在感ばかり気にする」

 6月1日に行われる地方選挙の公認過程では、派閥間の軋轢も露呈した。大統領選挙敗北の責任を負って退いたソン・ヨンギル前代表は、縁故のないソウル市長出馬を強行した。今月19日に公認排除決定を受けたソン前代表は、自分の出馬が李在明(イ・ジェミョン)常任顧問の意思だという点を強調し、派閥間の対立を煽った。同氏は公認排除を再審議する非常対策委会議を控え、李顧問の支持者である「改革の娘たち、良心の息子たち、目覚めた市民たち」に「総動員令」を下した。イ・ウォヌク戦略公認管理委員長はフェイスブックに「ソン前代表は窮地から逃れるため、突然、李在明候補を前面に押し出す解党的な分裂、小細工政治を即刻撤回せよ」という書き込みを残した。党内外では、党が大統領選敗北から教訓を得られないまま支離滅裂な姿を見せているという声があたっている。ある重鎮議員は、「地方選挙で民主党が変わったことを示さなければならないのに、『偽装離党』や『公認をめぐる対立』を見せたことで、もつれてしまった」とし、「国民からすると、民主党が滑稽にみえるかもしれない」と語った。

 龍仁大学のチェ・チャンリョル教授は、「今、民主党議員たちは刷新と革新には関心がなく、派閥内部で存在感を示さなければ公認を得られないと思っているようだ」と指摘した。

ソン・チェ・ギョンファ、チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1039947.html韓国語原文入力:2022-04-2202:41
訳H.J

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