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平和の少女像前「水曜デモ」妨害目的の場所取りに…警察、「重複集会」条項改善を検討

登録:2022-04-21 09:37 修正:2022-04-21 12:01
水曜デモの正常化を求める1519人の市民および244団体主催で、20日午前、ソウル鍾路区の旧日本大使館前の平和路で「水曜デモの正常化を求める記者会見」が開かれている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 極右・保守団体が「平和の少女像」周辺の集会場所を先取りし、正義記憶連帯(正義連)などが主管する水曜デモが追い出される事態が2年近く続くなか、警察が現行の「集会及び示威(デモ)に関する法律」(集示法)の重複集会に関する条項の改善に向け検討を開始した。

 警察庁は18日、国家総合電子調達システムに「重複集会の平和的な管理のための立法改善策研究委託」の入札を公告した。重複集会とは、同じ場所に二つの団体が同時に集会申告をすることをいう。

 警察は集会申告を先取りするというやり方で他の集会を妨害し、これによって衝突が発生している現実は、現行の集示法の重複集会条項に限界があるために生じているとみている。入札公告によると、「現集示法は重複集会の際、警察の分割開催の勧告に対し、先順位の集会が応じない場合、先順位の集会を禁止・制限したり分割開催を強制するといった案は規定していない」とし、「後順位の集会を妨害する目的で集会申告を乱用しても、後順位の集会を現実的に保護する案がなく、これに対する検討が必要だ」とみている。

 現行の集示法(8条の2)は、「相反するか妨害となる集会」が2つ以上届け出られる場合、警察は時間と場所を分けて集会を平和的にすべて開催・進行するよう勧告するなどの努力義務がある。しかし、先順位の集会が警察の分割開催の勧告に応じない場合は、後順位の集会のみ禁止・制限できるよう規定している。このため警察は集会申告受付時間を基準に先順位の集会を優先的に保障している。

 警察の集示法改善検討は、水曜デモの場所をめぐって繰り広げられている正義連帯と自由連帯をはじめとする極右・保守団体の衝突に対し、立法を通じて解決策を模索するという趣旨だ。

 2020年5月、正義連の会計不正疑惑が起き、極右・保守団体は平和の少女像前での集会申告を先取りするという方法で場所取りをしてきた。水曜デモは1992年からソウル鍾路区寿松洞(チョンノグ・スソンドン)の旧駐韓日本大使館前で毎週水曜日に開かれてきたが、平和の少女像の前の場所から徐々に押し出されるようになった。正義連は今年1月、国家人権委員会に緊急救済を申し立て、人権委は「定期水曜デモが妨害されずに行えるよう警察は積極的な保護措置に乗り出すべきだ」とし、鍾路警察署長に緊急救済措置を勧告した。

 警察は委託を通じて、現行の集示法上の重複集会に関する規定の適正性研究▽現行の集示法体系で望ましい重複集会の管理策研究▽実質的な「集会の自由」保障のための立法改善案などを検討する予定だ。

 一方、20日午前、平和の少女像の前では、市民1519人と正義連など244団体の主催で水曜デモの正常化を求める記者会見が開かれた。イ・ナヨン理事長は「現在、歴史否定勢力は異なる団体名で申告し、一部はその時間帯に実際には集会を行っていない。虚偽申告は現行法に基づき、過料賦課および処罰の対象となる」とし「警察は直ちに正義連が要請したデモ時間と場所の分割および虚偽申告に対する措置などを実施し、水曜デモ保障対策を立てるべきだ」と述べた。

 正義連などは先月16日、日本軍「慰安婦」被害者と参加者に対する名誉毀損と侮辱に対し、極右・保守団体関係者とユーチューバーを警察に告訴・告発した。鐘路警察署は告発人の調査を行い、現在捜査を進めている。

ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1039705.html韓国語原文入力:2022-04-21 02:48
訳C.M

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