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与党のイ大統領候補が掲げる新経済「5・5・5」宣言…「実現性不明」批判も

登録:2022-01-12 05:53 修正:2022-01-12 09:35
共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補が今月11日午前、国会議員会館で「新経済ビジョン」を発表している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 共に民主党の大統領候補のイ・ジェミョン氏が11日、科学技術・産業・教育・国土大転換の4大転換を通じて「イ・ジェミョン新経済の目標である総合国力『世界5強の経済大国』」を実現すると述べた。しかし、具体的な実行策が見当たらず、選挙用のスローガンに終わる恐れがあるという指摘も出ている。

 イ・ジェミョン候補は同日、国会議員会館大会議室で開かれた「新経済ビジョン宣布式」で「まさに今が大転換の危機を成長の機会に変えられるゴールデンタイム」だとし、「大韓民国世界5強をイ・ジェミョン新経済が成し遂げる」と述べた。イ候補は「デジタル成長への転換のため、物的・制度的・人的インフラを先制的に構築する」とし、「(これを通じて)デジタルに特化した未来の人材100万人を養成し、究極的には約135兆ウォン(約13兆600億円)のデジタル転換投資で200万の新しい雇用を創出する」と強調した。

 同時に4大転換だけでは新経済を完成できないとして、公共改革と金融改革を「2大改革課題」として提示した。公共改革と関連しては、大統領選予備選挙の時から主張してきた企画・予算機能の改編と、科学技術革新副首相制の導入、気候エネルギー部の設置などを公約として打ち出した。金融改革案には株価操作「ワンストライクアウト制」の導入などが含まれている。

 同日の発表は従来の「5・5・5(世界5強、国民所得5万ドル、株価5千)時代」の公約を掲げた「イジェノミクス」(イ・ジェミョン+エコノミクス)の完成版だ。イ候補は新経済ビジョン宣布式後に行われた質疑応答で「重要なのは国の役割を拡大し、(成長のための)インフラの構築に乗り出すこと」だと説明した。

 イ候補は、アップルの創業者スティーブ・ジョブズのように黒いタートルネックを着て、無線マイクを着用し、24分間のプレゼンテーション(PT)に臨んだ。経済成長に向けた準備を整えた大統領候補であることを際立たせるためだった。

 専門家は「宣言以上の公約はない」とし、李明博(イ・ミョンバク)政権の「747公約」(経済成長率7%、一人当たり国民所得4万ドル、7大先進国入り)のように、スローガンで終わる可能性もあると指摘した。新経済ビジョン宣布文には「135兆ウォンのデジタル転換投資」や「現在69品目である世界一の輸出製品を100品目以上に増やす」などの内容が盛り込まれているが、財源調達など具体的な実践案は抜けている。慶北大学のチェ・ハンス教授(経済通商学部)は「成長は青写真を提示するだけでは実現しない」とし、「輸出製品を増やすと言っているが、それが何かも示していない」と指摘した。漢城大学のキム・サンボン経済学科教授も5・5・5公約について、「国民所得を3万ドルから5万ドルにするためには、40%も増やさなければならない。任期が5年だとすれば、年間8%の成長が欠かせない。それをいかに実現するのかに関する説明が不十分だ」と述べた。

 イ候補は同日の発表式後、「5・5・5公約」達成時期に関する記者団の質問に「任期内に到達するということではないが、超長期的に目指す目標ではない」と答えた。また、「どの輸出製品を増やすのか」との質問などにも「特定製品を指定し、これが可能だと言うのは適切ではないと思う」と述べた。

 一方、イ候補は差別禁止法について「憲法上の平等原則が各分野で実現されなければならないので、制定するのが正しい。国会での公論化過程を通じて立法が実質的にできるよう、国民的な議論をしてほしい」と述べた。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1026805.html韓国語原文入力:2022-01-12 02:02
訳H.J

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