韓国政府は、国内民間企業の宇宙開発参加の機会を広げるため、来年から2031年までの10年間、公共目的衛星170基余りを開発するとともに、国内のロケットを計40回余り打ち上げる計画だ。
科学技術情報通信部(科技情通部)は15日、「韓国航空宇宙研究院(航宇研)で第21回国家宇宙委員会が開かれ、宇宙分野で韓国企業の技術力を高め、インフラを拡充し、公共目的の衛星を多数開発するとともに、民間企業専用ロケット発射場を構築するなど、宇宙産業育成を推進するための戦略を立てた」と発表した。同日の会議は、国家宇宙委員会の委員長を科技情通部長官から首相に格上げして以来初めて開かれ、キム・ブギョム首相が主宰した。
委員会はまず、今後10年間、公共目的の衛星を170基以上開発することにした。衛星に対する民間需要がない状態なので、公共部門の需要ロードマップを提示し、企業に参加の機会を与えるためだと科技情通部は説明した。
また、衛星開発と連携し、10年間で国内のロケットを40回あまり打ち上げる計画も立てている。先月21日に初めて打ち上げられたヌリ号の改良を含め、固体燃料ロケットなど様々なロケットの開発計画が第4次宇宙開発振興計画に加わる予定だ。
政府はこれと共に、民間企業の様々なアイデア実現を支援するため、羅老(ナロ)宇宙センター内に民間企業専用のロケット発射場を構築する。科技情通部によると、2024年までに490億ウォン(約47億円)を投じて固体燃料ロケットの発射場を確保し、今後液体燃料を含む総合発射場に拡張する計画だ。
国家宇宙委員会は同日、韓国型衛星航法システム(KPS)開発事業を進める細部計画も確定した。第4次産業革命インフラとして超精密位置・航法・視覚情報サービスを提供するKPS開発事業は、2018年の第3次宇宙開発振興基本計画に反映され進められてきた。同事業には、来年から2035年までの14年間、計3兆7234億ウォン(約3600億円)が投入される。政府は航宇研内に「KPS開発事業本部」を設け、今後「KPS委員会」や「KPS開発運営団」など専門的な推進システムを整える一方、「国家統合航法システムの開発・運営に関する法律」(仮称)の制定も進める計画だ。
科技情通部は「KPSが構築されれば、有事の際に金融・電力・通信・交通網など主要な国家基盤インフラの安全性が確保され、センチメートル級の超精密サービスを提供できるため、自動運転車や都心航空交通(UAM)など第4次産業革命の新産業のための基盤になる」と説明した。