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「部署内で息子を透明人間扱い…」社内いじめで息子を亡くした両親の叫び

登録:2021-11-04 10:14 修正:2021-11-04 11:05
職場内でのいじめを訴え、9月26日に亡くなったイ・ウソクさん(26)の母親キム・ヨンランさん(50、左端)と父親のイ・ドンスさん(58、右端)が、先月26日に本紙の取材に応じ、息子について語っている=法務法人ディーライト提供//ハンギョレ新聞社

 「目標のために節制することができ、何事にも熱心な努力家でした」(故イ・ウソクさんの母親キム・ヨンランさん(50))

 職場内でのいじめを訴え、9月26日に亡くなったイ・ウソクさん(26)のことを、母親のキムさんは「意志の強い子」と記憶していた。「大学で行政学を専攻した息子は、1年ものあいだ友人たちと連絡を絶ち、家と読書室を行き来しつつ猛勉強していました」

 ウソクさんは4年生だった2019年の夏休みから9級公務員試験を準備し、そのような努力の末、昨年春に合格した。

 先月26日に本紙のインタビューに応じたキムさんは、「1月に市役所から辞令を受け、とても喜んでいまいた。最初に辞令を受けた部署では問題なく過ごしていたんです。ところが今年7月に部署が変わったことで、状況が変わってしまいました」とし、「先輩に『8時に出勤して課長の机を整理し、コーヒーと水を注いでおくように』と指示されたので、『そんなことはできない』と言ったら、その時からいじめが始まりました」と語った。異動した部署は技術職のみからなるチームで、若い行政職だったウソクさんは様々な面で異質な存在だったと思われる。ウソクさんは家族と友人につらさを訴え、胸の重苦しさ、不安、不眠などの症状で病院に行き、薬の処方を受けてもいた。

 キムさんは「部署のメンバーがウソクを透明人間扱いし、業務について聞いてもちゃんと答えてくれないと言っていました。そのいじめのせいで食事もあまり取れず、3カ月で5キロやせました」と語った。ウソクさんは結局、休職申請の前日、自ら命を絶った。

 ウソクさんの父親イ・ドンスさん(58)は、「ウソクは『他のチームで働けばすっかり良くなると思う』と話していました。他のチームに脱出しようとしてもいたんですが、だめだったみたいです。休職を3日後に控えた9月24日に、チームリーダーに休職しようと思うと言ったら、『そこまでしないといけないのか。思うように休職できない可能性もある』と言われたと言っていました。休職申請が受理されなければ、その部署でまた勤務しなければならないというプレッシャーに耐えられなかったんだと思います」と言ってため息をついた。

チェ・イェリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/chungcheong/1017869.html韓国語原文入力:2021-11-03 21:29
訳D.K

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