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「ミネラルウォーター事件」、自宅で自殺した社員を立件…「強制捜査のため」=韓国

登録:2021-10-22 09:44 修正:2021-10-22 10:57
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 ソウル瑞草区(ソチョグ)のある会社の事務所でミネラルウォーターのペットボトルの水を飲んだ社員2人が倒れた事件について、警察は自宅で自殺した同社の社員A氏を立件し、捜査を進めることにした。A氏の解剖の結果、1次所見は「薬物中毒」であることが分かった。

 ソウル瑞草警察署は21日、自宅で死亡した状態で発見された同社の主任級の社員A氏を、20日に特殊傷害の疑い(ミネラルウォーターのペットボトルに毒物を入れ同僚社員2人に傷害を負わせた疑い)で立件したと発表した。警察の関係者は「A氏は死亡したが、A氏に関する通信内訳の確認やフォレンジックなど強制捜査を行う必要性があるため立件した」と説明した。

 警察は、今月18日に社員2人がミネラルウォーターを飲んで意識を失う被害を受けたことと、A氏の死亡が関係しているとみて捜査を進めている。前日実施した国立科学捜査研究院(国科捜)の解剖の結果、国科捜は警察にA氏の死因の1次所見は「薬物中毒」だと伝えた。警察はこれに先立ち、国科捜に2人の社員が飲んだ水の薬物鑑定を依頼していた。

 現在まで病院に入院している40代の男性社員Bさんは財務担当チーム長で、A氏が所属する経営企画チームもBさんの部署の傘下にあった。一緒に病院に搬送された女性社員は退院したが、完全に回復しておらず、現在まで円滑な取り調べを受けることは難しい状態だという。

 A氏は「ミネラルウォーター事件」が発生した翌日の19日に無断欠勤し、この事実を把握した警察は、ソウル冠岳区(クァナック)の自宅で死亡しているA氏を発見した。当時、現場には毒物が入っていたと疑われる容器などが見つかり、鑑識を依頼している状況だ。国科捜の鑑定結果は来週ごろ発表される予定で、警察はこれを土台にミネラルウォーターのペットボトルに注入された毒物と、A氏が所持していた毒物、A氏の死因の関連性を整理するものとみられる。A氏が死亡した当時、他殺の情況も見つからず、警察はA氏が自殺したものとみている。現場では遺書や日記などは見つからなかった。ただ、警察が確保したA氏の2台の携帯電話のうち、1台からは毒物に関する内容を検索した痕跡が発見されたという。

 警察は現在、A氏の携帯電話をフォレンジックし、同じチームの同僚を取り調べるなど捜査に拍車をかけ、犯行動機の把握にも力を入れている。これに先立ち、ミネラルウォーター事件の発生した原因をめぐり、社員間の痴情や職場内でのいじめなど様々な憶測が流れたが、警察関係者は「(動機の)把握のため多方面から捜査を進めている」と慎重な立場を示した。

チャン・イェジ、イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1016072.html韓国語原文入力:2021-10-22 02:38
訳C.M

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