成果なく幕を閉じた米中高官級接触で、中国側が両国関係について「3大条件」を掲げ、攻勢的に米国を圧迫したことが分かった。一方、米国側は新疆ウイグル自治区や香港、チベットなど「敏感な懸案」に触れ、従来の立場を貫いた。
27日の官営「新華社通信」などの報道を総合すると、中国の王毅外交部長は前日午後、天津で米国のウェンディ・シャーマン国務副長官と面談し、「中米関係は厳しい困難と挑戦に直面している」としたうえで、「今後衝突と対決に進むか、両国関係を改善・発展させるかは、米国側が慎重に判断しなければならない」と述べた。
王部長は「米国の新政権も前政権の極端で誤った対中国政策をそのまま踏襲している」とし、「抑制と圧迫で中国を敵にし、中国の現代化を阻もうとする試みは現在も不可能であり、未来にも実現できないだろう」と主張した。
特に王部長は米中関係を効果的に管理・統制するため、米国側に対し、中国の体制を認め、発展妨害行為を中止すると共に、主権侵害・内政干渉をやめるという3大条件を「マジノ線」として提示した。
彼は「米国は中国ならではの社会主義の道(中国特色社会主義)と制度に挑戦したり、これを転覆させようとしてはならない」とし、「かつ、中国の発展過程を妨害したり中断させようとしてはならない」と述べた。また「中国に対する一方的な制裁や高率の関税、(米国内法の管轄権を外国まで拡大して適用する)拡大管轄法、科学技術封鎖措置を速やかに取り消すべきだ」と強調した。
また「米国は中国の国家主権を侵犯したり、領土保全を損なってはならない」とし、「新疆ウイグル自治区やチベット、香港に対する干渉は人権と民主主義の問題ではない。いかなる国も国家主権の安全が損なわれることを容認しないだろう」と述べた。また台湾については「両岸(中国と台湾)がまだ統一されていないが、中国は一つであり、台湾は中国の領土という基本事実は変わらない」とし、「もし台湾の独立を試みる場合、中国には必要なあらゆる手段を動員して阻止する権利がある」と警告した。
中国国内では「今やボールは米国に渡った」とみている。中国の要求に米国側がどのように反応するかによって、両国関係のゆくえが決まるということだ。
官営「グローバルタイムズ」は復旦大学米国研究所の呉心伯主任の言葉を引用し、「過去は米国が要求事項を持ってくれば中国が反応する形だったが、今回は中国が積極的に対話を主導する新しい外交スタイルを示した」とし、「中国が提起した問題を米国が具体的に実行に移さない限り、中米関係は改善しないだろう」と指摘した。
米国側の雰囲気は全く違う。米国務省は26日(現地時間)、報道官名義の発表文で、シャーマン副長官が王毅部長らと面談し「米国と同盟および友好国の価値と利益に反し、ルールに基づいた国際秩序を損なう中国の行動に対して懸念を示した」と明らかにした。また、新疆ウイグル自治区や香港、チベットなどの人権弾圧問題や台湾、東・南シナ海問題はもちろん、新型コロナウイルスの起源の調査など、中国が敏感に考える事案をあまねく取り上げたと付け加えた。