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地球温暖化は人類の体を大きくするのか、それとも小さくするのか

登録:2021-07-13 02:48 修正:2021-07-13 08:48
英国とドイツの研究チームが、人類の化石の分析から、気候変動によって体の大きさに違いが生まれることを明らかにした=英ケンブリッジ大学提供//ハンギョレ新聞社

 現代人類と祖先たちは気候変動によって体の大きさが変化してきたとの分析結果が示された。しかし脳容積は、気候によってというよりは定住環境や社会関係などによって変化したと推定された。

 英国のケンブリッジ大学とドイツのテュービンゲン大学の共同研究チームは、世界各地で収集した人類(ホモ属)の300あまりの化石から身体と脳の大きさのデータを集め、過去数百万年の世界の古気候の復元資料と比較して相関関係を分析した。その結果、その人類が生活していた当時の気温によって、身体の大きさの進化に違いが見られることが分かったと明らかにした。同研究チームの論文は8日(現地時間)付けの科学ジャーナル「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された(DOI : 10.1038/s41467-021-24290-7)。

 現代人類(ホモ・サピエンス)は30万年前にアフリカで出現した。ホモ属はこれよりはるかに長い間存在してきた。ここにはネアンデルタール人やその他の絶滅人類であるホモ・ハビリス、ホモ・エレクトゥスなどが含まれる。人類進化の特徴の一つは、体と脳が大きくなってきたということだ。ホモ・ハビリスのような初期の種に比べると、現代人類は50%重く、脳容積は3倍以上に膨らんでいる。しかし、このような変化を起こした要因については、環境的、人口学的、社会的、技術的要因や栄養状態などがあげられ、議論が絶えなかった。

 研究チームは、人類の身体の平均的な大きさは数百万年の間で変動が大きく、相対的に寒い地域で体が大きく進化したと同論文で主張している。表面積に対して体重が相対的に重いと、体が熱を奪われる割合が減るため、大柄な体格が寒さに対する緩衝材の役割を果たしたと研究チームは解説している。19世紀ドイツの生物学者カール・ゲオルグ・ベルクマンが唱えた「恒温動物は、同じ種であれば寒い場所に住むものほど体が大きい」という「ベルクマンの法則」を証明するものだと研究チームは述べた。

 同論文の共著者であるケンブリッジ大学動物学科のアンドレア・マニカ教授は「気候、特に気温は過去数百万年の間、身体の大きさの変化の主な要因だった。現存する人類のうち暖かい地方の人は相対的小さく、寒い地方の人は大きいという事実からも分かる」と同大学の報道資料で明らかにした。

 しかし脳は異なっていた。研究チームは、ホモ属の化石の脳容積と環境要素の相関関係を分析した。脳の大きさと周辺環境の一次生産力(植物の光合成と微生物の化学合成が有機物を生産する力)および湿度の長期変動の間には弱い相関関係が見られたものの、脳容積の変化を説明するにはあまりにも微々たるものだった。

 脳は、人類が広大な草原やステップ(欧州東南部とシベリアの草地)のように草木が不足している地域や、生態学的に安定した地域に生息している時に大きくなる傾向を示した。考古学的資料と比較すると、これらの地域に住んでいた人類は食糧確保のため、巨大な動物を狩るという複雑な任務を遂行しなければならなかったため、脳の進化が促進された可能性があると研究チームは推定した。論文の第1著者であるテュービンゲン大学のマヌエル・ビル研究員は「身体の大きさと脳容積を決定する要因が異なることを発見した。脳よりも身体の方が環境の影響を受けていた」と述べた。

 研究チームは、人類の脳の容積は1万1650年前の完新世(沖積世)の開始以来小さくなってきており、複雑な業務をコンピューターに任せるなどの技術依存の増加は、数千年後に我々の脳が小さくなる上で役割を果たすかも知れないとしている。マニカ教授は「未来に身体と脳の大きさがどのように変わるのか推論するのは興味深い。しかし多くの要因が変わり得るため、過去数百万年の結果から推論するのは非常に慎重でなければならない」と述べた。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1003207.html韓国語原文入力:2021-07-12 17:48
訳D.K

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