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ユン前総長の出馬宣言に与党が一斉反発…「尹奉吉記念館で『竹槍歌』とは耳を疑う」

登録:2021-06-30 07:59 修正:2021-06-30 08:39
共に民主党の有力な大統領選候補であるイ・ナギョン前代表今月29日、ソウル汝矣島の中小企業中央会で開かれた未来IT革新フォーラム創立セミナーで祝辞を述べている/聯合ニュース

 共に民主党指導部と与党の大統領選候補らは、29日のユン・ソクヨル前検察総長の大統領選出馬について、政治的中立性論議を問題視し、けん制に乗り出した。

 共に民主党のソン・ヨンギル代表は同日、ユン前総長が「腐敗し、無能な勢力の政権延長と国民からの略奪を阻止しなければならない」として、文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判したことについて、「そのような政権で検事総長を務めた人の自己否定」だと皮肉った。さらに「検察一筋だった人が大統領になるのは、古今東西では類を見ない」という国民の力のキム・ジョンイン元非常対策委員長の発言を引用し、「反腐敗フレームの戦場が変われば経済や安全保障がより重要になるため、大韓民国の大統領は過去に対する評価だけでなく、未来のビジョンを示さなければならない。それに関する検証があると思われる」と述べた。ソン代表はしかし、ユン前総長の支持率上昇については、与党の“反省”が必要だと指摘した。「(世論では)我々が気に入らないからこそ、検察総長として一生を送った人の支持率があんなに高いのだろう」とし、「ユン・ソクヨル前総長に対する支持率が高いのは我々も反省すべき要素。国民の不満を払拭し、我々自らが変化してこそ客観的な評価になるだろう」と述べた。

 同党のイ・ナギョン前代表は同日午後、記者団に対し「国政ビジョンが何なのか、明らかにされない宣言だったと思う」と述べた。「解決策も示さず、国民の怒りを刺激するのは望ましくない。まだ始まったばかりであり、これから改善されると思うが、老婆心で申し上げる」と前置きした上で、「今の韓日関係を語りながら『(文在寅政権は)理念に捕らわれ、竹槍歌を歌っているうちにめちゃくちゃになった』と言ったが、何のつもりでそのような発言をしたのか、しかも(独立運動家である)尹奉吉(ユン・ボンギル)義士記念館でそのようなことを言うのを聞いて、耳を疑った」と批判した。

 法務部長官時代、ユン前総長と激しく対立したチュ・ミエ元長官は「検察中立性に関する質問に、ユン前総長が『例外もあると思う』と答えた」とし、「検察総長も監査院長も、最も厳しい政治的中立が求められるポストなのに、自らを例外化し、それで済むわけがない。憲法否定であり、反法治と言わざるを得ない」と批判した。パク・ヨンジン議員も「選挙が9カ月も残っていない状況で、大韓民国の安全保障や外交、国防、経済、教育分野については語らず、ただ本人の出馬に関する正当性だけを求めようとしたのでは」とし、「具体化されていない哲学や準備されていない政策など、未熟さをあらわにした」と評価した。

 同日、慶尚南道の烽下(ボンハ)村を一緒に訪問したチョン・セギュン前首相とイ・グァンジェ議員も、ユン前総長を批判した。チョン前首相は「天に唾するようなもの」だと一蹴し、イ議員は「内心何か特別なビジョンがあるのではないかという期待もあった。だが、政権交代、政権奪取の話ばかり聞かされ、空しい期待だったかもしれないと思った」と述べた。ユン前総長と支持率で1、2位を争っているイ・ジェミョン京畿道知事はコメントを発表しなかった。

 一方、正義党のヨ・ヨングク代表はユン前総長の出馬宣言に「時代精神」が抜けているとして、遺憾の意を表明した。ヨ代表は同日、フェイスブックに「文在寅政権に対する批判はあるが、時代精神のない(支持率)1位の大統領選候補の出馬宣言メッセージは失望を抱かせるものだった」としたうえで、「2017年の大統領選挙ですべての候補者の時代精神は『不平等の解消』だったが、その時より不平等と差別はさらに拡大している」とし、「これに対する問題認識がないのは非常に遺憾だ」と書き込んだ。

ソン・チェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1001411.html韓国語原文入力:2021-06-29 18:18
訳H.J

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