2019年7月に日本が行った韓国に対する主要素材の輸出規制強化以降、素材・部品分野で韓国の日本に対する輸入依存度は全般的に低下した。主要素材3品目(高純度フッ化水素、極紫外線(EUV)用フォトレジスト、フルオリンポリイミド)の依存度も少しずつ低くなった。ただし、3品目の依存度の絶対水準は依然として高く、宿題を抱えている状態と評価される。
27日の韓国貿易協会の資料(HSコード基準)によると、昨年7月~今年5月の3大規制品目の中でも中核とされるフォトレジストの輸入額は3億5854万9千ドルで、このうち日本から輸入した分は3億425万9千ドルで84.9%を占めた。2018年7月~2019年6月の92.9%、2019年7月~2020年6月の86.8%からさらに下がった。
フッ化水素の対日輸入依存度は、輸出規制前の2018年7月~2019年6月の42.9%から、2019年7月~2020年6月は9.0%へと急落した。その後、2020年7月~2021年5月には14.0%と再び上がったが、輸出規制後に40%台から9%台に落ちた後だったことを考慮すれば、全般的に下落傾向とみられる。ポリイミド品目の状況は他の品目と異なり、同期間の対日依存度は93.0%、92.4%、94.2%とほぼ変化なく高い水準を維持した。成果と限界を同時に抱えていることを示している。
産業通商資源部の素材・部品・装備総括課のユン・チャンヒョン課長は「輸出規制の2年間で大きな問題はなく、品目ごとの供給は安定したものとみている」と述べた。ユン課長は「全般的な対日依存度は減少している傾向」と付け加え「国内企業の生産施設の新増設、外国資本の誘致、輸入先の多角化による結果」と説明した。外国企業の誘致事例としては、米デュポン社が昨年韓国に投資し、フォトレジストの生産に乗り出したことが挙げられる。日本に限られていたフォトレジストの輸入先にベルギーを追加するなど、輸入先の多角化の成果もあった。
主要3大品目をはじめ素材・部品分野全般では、対日依存度がさらに大幅に下がった。産業部の「素材・部品総合情報網」の統計によると、今年1~5月の韓国の素材・部品の累積輸入額813億7千万ドルのうち、日本製品は118億7100万ドルで14.6%だった。昨年同期の15.7%より下がった。日本からの素材・部品輸入の割合は2003年に28.0%でピークに達した後、徐々に低下し、2014年18.2%、2016年17.8%、2020年16.0%と落ちた。
日本の輸出規制当時、産業部産業政策室長として素材・部品・装備育成策を率いた大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のユ・ジョンヨル社長は、「韓国経済の不確実性を高めた日本の措置に、国民と企業、公共機関、そして政府が一丸となって対応した代表例」とし「狭い市場、高い技術力でアプローチが容易でない素材・部品・装備の分野で、様々な主体の間での連帯と協力のムードが拡散したという点で意味がある」と評価した。ユ社長は「(素材・部品の)需要企業にとっても、特定国家だけに依存していたサプライチェーンを再点検し、中小供給企業と緊密な協力環境を構築しなければならないということを改めて認識する契機となった」と述べた。
半導体装備会社ジュソン・エンジニアリングのファン・チョルジュ会長も、素材・部品の需要先の大手企業と供給を担当する中小企業間の協力関係を強化する契機になった点を評価した。ファン会長は「日本の措置は韓国に協力関係強化という良いムードを作り、素材・部品・装備の重要性を刻印した」とし「過去10年かかることを1年で行った」と述べた。
依然として宿題は残っている。主要品目の対日依存度はまだ絶対的に高く、不安定性を帯びているという点だ。ユン課長は「日本の規制がいつまた強化されるか分からず、ここに国際的なサプライチェーン再編の動きも変数として浮上している」と述べた。ユン課長は「素材・部品・装備は技術進歩が持続的に行われる分野であるだけに、現在進行中の政策と事業を地道に一貫して推進することが重要だ」とし「サプライチェーンの安定化、研究開発の投資支援とともに、開発された技術を製品量産化につなげるよう、政策的な努力をしていく」と述べた。