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韓国銀行「韓国経済、今年4%以上の成長も可能」…景気回復への期待と正常化に重み

登録:2021-06-10 05:47 修正:2021-06-10 07:14
クリップアートコリア提供//ハンギョレ新聞社

 今年第1四半期の成長率が従来より高く集計され、今年4%成長の達成はもとより、それ以上も可能という期待の声もあがっている。早い景気回復を受け、さまざまな景気刺激策の正常化も徐々に行われる見込みだ。 景気回復の勢いを落とさない範囲内で、基準金利や支援策などを元に戻すことが、もう一つの課題になる見通しだ。

 韓国銀行が9日に発表した「2021年第1四半期の国民所得」(暫定)によると、今年第1四半期の実質国内総生産(GDP)は前期に比べ、1.7%の伸びを示した。4月の速報値1.6%より0.1ポイント高くなった。コロナ禍で需要が高まった半導体や自動車、機械類などの輸出が予想を超える好調を見せ、製造業(-1.1%)と財貨輸出(-1.3%)で増加率が上向き調整された。

 第1四半期の好成績により、年間4%成長がさらに近づいた。韓銀は先月、「経済見通し」で今年の年間実質成長率の見通しを3%から4%に引き上げた。もし今年の残りの四半期(第2~4四半期)で0.7~0.8%成長すれば、年4.1~4.2%の成長も視野に入る。金融危機直後の2010年(-6.8%)以降、11年ぶりに最も高い成長率だ。韓銀は同日、昨年の年間実質成長率も-1.0%(速報値)から-0.9%(暫定値)に修正した。

 今年の1人当たりの国民総所得(GNI)も、ドル建てで3年ぶりに増加に転じるものとみられる。国民が国内外で稼いだ総所得を人口で割った数値で、景気低迷にウォン安まで加わり、昨年までは対前年比で2年連続減少した。2017年に国民所得3万ドル時代に入ってから、この4年間は3万ドル前半に止まっている。韓銀は「ウォン安が大幅に進まない限り、今年は増加に転じる可能性がある」と指摘した。

 国民経済全体の物価水準を表すGDPデフレーター(名目GDPを実質GDPで割った値)もまた、今年第1四半期は前年に比べ2.6%増加した。貿易条件が改善し、消費者物価が上昇し、2017年第3四半期(3.7%)以降最高値だ。第1四半期の総貯蓄率は所得より消費が少なくなり、37.4%を記録したが、今後、リベンジ消費の持続に役立つかが注目される。

 経済が速いスピードで持ち直し、新型コロナへの対応として実施された政策の正常化も進められるものと見られる。韓銀が低金利を維持せず、金利引き上げの時期は早ければ今年末に繰り上げられる可能性もある。韓国政府も様々な支援策、猶予措置などを少しずつ現状に戻すことになる。問題は正常化のスピードだ。あまりに急ピッチで進めば、やっと回復した経済は再び悪化しかねない。

 国民所得で労働所得が占める割合である労働所得分配率も、昨年は67.5%で、1953年に統計公表が始まって以来最も高かった。コロナ禍で企業の営業利益は前年に比べて4.3%減少したが、労働者の賃金維持傾向が強くなり、被用者報酬は前年より0.5%増加した。このような中、政府の雇用安定支援金や緊急雇用供給なども被用者報酬の増加に影響を与えたものと推定される。韓銀は「景気低迷時の労働所得分配率が良くなる傾向があるが、政府の雇用支援も同時に影響を及ぼした」と説明した。

チョン・スルギ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/998660.html韓国語原文入力:2021-06-100 2:50
訳H.J

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