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EU・中国「投資協定」論議、正式に凍結か

登録:2021-05-20 03:02 修正:2021-05-20 10:56
4月22日(現地時間)の英国ロンドンで、あるウイグル人が英国議会に対し、中国の新疆ウイグルでの人権弾圧を人種虐殺と規定することを求めてデモを行っている。英国下院はこの日、新疆ウイグルで起きた「人類に対する犯罪」と集団虐殺を指摘し、英国政府に対し国際法の動員を求める決議をあげた=ロンドン/AFP・聯合ニュース

 欧州議会は、欧州連合(EU)と中国との間で締結された包括的投資協定(CAI)の批准についての論議を正式に「凍結」するものとみられる。新疆ウイグル地域での人権弾圧問題をめぐり、今年3月にEUと中国が相互に制裁を科して以来、CAI批准の話し合いは事実上中断していた。

 政治専門メディア「ポリティコ」の19日の報道を総合すると、欧州議会は、中国の制裁が維持されている限り、CAIに関するいかなる議論や批准手続きも進めないことを骨子とする決議案を表決に付すことを決めた。決議そのものに法的拘束力はないが、欧州議会の意志を反映したものであるため、欧州委員会の方針にも影響を及ぼさざるを得ない。

 欧州議会の議案情報ウェブサイトによると、欧州人民党や社会民主進歩同盟などの欧州議会を代表する6つの会派が、それぞれ決議草案を提出している。一部に温度差はあるものの、中国の対抗制裁への批判▽CAI批准論議と制裁解除との連係▽新疆や香港などの人権状況に対する懸念が共通して盛り込まれている。決議案は20日午後に表決に付される予定だ。

 中国とEUは、2014年1月の初交渉を皮切りに、7年以上にわたり30回を超える交渉の末、昨年末に通信、金融、電気自動車などの分野でのEU側の中国市場へのアクセス権拡大を骨子とする二者間の投資協定を妥結している。

 しかし、EU側が3月22日に強制労働などの新疆地域の人権じゅうりんに責任がある4人の個人と現地の公安機関に対し、旅行禁止や資産凍結などの制裁を科したことから、CAIの批准手続きは始めることすらできていない。中国が欧州議会の議員を含む10人の個人と欧州議会人権小委員会などの4つの機関を制裁対象に指定するなど、対抗措置を取ったためだ。

 「ポリティコ」は「決議案には、CAIをめぐる論争を、中国の人権状況を改善するとともに市民社会を支援するテコとすべきだと欧州委員会に求める内容も盛り込まれると見込まれる」とし「決議が採択されれば、今後はCAIの批准がさらに難しくなる」との見通しを示した。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/995838.html韓国語原文入力:2021-05-19 15:31
訳D.K

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