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「日本、福島第一原発の汚染水の海洋放出を決定する方針」

登録:2021-04-10 02:47 修正:2021-04-10 08:25
日本の福島第一原発に設置されている汚染水タンク/聯合ニュース

 日本政府が福島第一原発の汚染水を海に放出する方針を固めた。日本のメディアが報じた。

 NHKなどの日本のメディアは9日、日本政府が今月13日に関係閣僚会議を開き、現在タンクに保管中の福島第一原発の汚染水を海に放出することを決定する方針を固めたと報じた。同報道によると、福島第一原発の前の太平洋に汚染水を放出した後は、海水のトリチウム(三重水素)濃度の調査を強化し、風評被害を減らす対策を徹底的に実施するものの、それでも発生する被害に対しては賠償する計画だという。日本政府は、多核種除去設備(ALPS)と呼ばれる装置を用いて、ほとんどの放射性物質(62種)を基準値以下にまで浄化した後に放出する計画だと主張している。トリチウムは水として存在するため浄化装置でも濾過するのが難しく、水で希釈して放出するしかなく、賠償の検討は汚染水の海への放出に反対している地域の漁民を意識したものと見られる。

 梶山弘志経済産業相は9日の閣議後、記者団に対し、「処理水(放射性物質を浄化した後に放出するので汚染水ではないとして日本政府が用いている名称)を処分する場合には国際原子力機関(IAEA)がその安全性を客観的に確認し、国内外に透明性高く(情報を)発信することになっている。こうした対応を取ることが風評(被害)を抑制することにもつながり、私が先頭に立つ覚悟で責任を持って対策に取り組みたい」と述べた。小泉進次郎環境相もこの日、「まだ正式に決定した段階にはないが、(汚染水処分の)決定を先送りし続けることが復興の足かせとなってはいけない」と述べた。

 これに先立つ今月7日には、菅義偉首相が全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と会談していることから、日本では、菅政権が福島第一原発の汚染水を海に放出する方針を間もなく正式に発表するだろうとの観測が流れていた。福島周辺の漁業関係者たちは福島第一原発の汚染水の海への放出に反対し続けてきたが、全漁連の会長との会談は汚染水の海への放出決定に向けた手順だという見方だ。

 福島第一原発は2011年の東日本大震災による爆発事故で稼動が停止し、廃炉作業が行われているが、福島第一原発に地下水と雨水が流れ込み、放射性物質に汚染された水が生じ続けている。日本政府は、2022年夏には汚染水を保管するタンクが不足するとして、汚染水を二度浄化して海に放出する方策を推進している。今回、方針が決定されれば、設備建設などの作業時間も必要となるため、実際の放出は2年後となる。

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/990387.html韓国語原文入力:2021-04-09 15:41
訳D.K

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