23日に欧州とアジアをつなぐエジプトのスエズ運河で超大型コンテナ船が座礁し、運河が5日間麻痺しているなか、韓国最大の遠洋コンテナ会社のHMM(旧現代商船)は、船舶4隻をアフリカ南端に回し喜望峰路線に迂回する。欧州とアジアを往来する航路の船舶が喜望峰を回ることになったのは約45年ぶり。
28日、HMMなどによると、HMMは今週スエズ運河を通過する予定だった2万4千TEU級「HMMストックホルム」「HMMロッテルダム」「HMMダブリン」、そして5千TEU級の不定期船「HMMプレステージ」を、南アフリカ共和国の喜望峰を迂回する路線に変更することを決定した。「ロッテルダム」と「ダブリン」「プレステージ」は欧州からアジアに、「ストックホルム」はアジアから欧州に向け多くの企業の貨物を積み移動している。最初にスエズ運河への進入が滞った2万4千TEU級「HMMグダンスク」は、近くの海上で待機し4日目となっている。
今回の路線変更は、スエズ運河の再開がさらに数日かかることがあり得るという懸念が強まったことによるものだ。喜望峰を回る場合、約9千キロメートを追加で航海しなければならない。 所要期間も7日~10日増える。スエズ運河の開通後、海運業者は喜望峰路線をあまり利用しなかったが、1960年代の末から1970年代中盤までは、エジプトとイスラエルがスエズ運河を挟み軍事的に対立し、8年間、再び喜望峰航路を利用したことがある。 海運業界関係者は「スエズ運河が閉鎖され喜望峰路線へと迂回するのは、1970年代中盤以降では今回が初めて」だと伝えた。