新型コロナウイルス感染症の第3波を抑制するため、政府は首都圏の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を8日以降の3週間にわたってレベル2.5へと引き上げる。レベル2.5は、夜9時以降の社会経済活動を幅広く制限する超高強度措置だ。非首都圏では同期間にレベル2へと引き上げられる。
チョン・セギュン首相は6日、ソウル市役所で主宰した中央災害安全対策本部(中対本)会議で「10カ月以上続いているコロナとの戦いで、最大の危機に直面している」と述べ、ソーシャル・ディスタンシングの引き上げ方針を明らかにした。中対本は「首都圏のコロナ拡散が本格的な大流行へとさしかかり、全国的な大流行へと膨張する寸前」と判断した。直近の1週間(11月30日~12月6日)の韓国国内の1日当たりの平均感染確認数は514人で、この日を起点にレベル2.5の基準である1日平均400~500人を超えた。特に、首都圏ではここ4日間、毎日400人以上の患者が確認されるなど、新規患者の70%以上を占めている。
政府はこの間、首都圏に対し11月19日からレベル1.5、11月24日からはレベル2、今月1日からは「レベル2+α」と、相次いでソーシャル・ディスタンシングを引き上げてきた。非首都圏では、独自にレベル2へ引き上げた釜山(プサン)と光州(クァンジュ)以外の市・道が、1日からレベル1.5を実施中だ。中対本は、引き上げの効果が先週末(6~7日)から現れることを予想していたものの、拡散の勢いは沈静化していない。6日午前0時現在、過去24時間以内に新たに確認された感染者の数は631人で、週末のため検査数が前日より8000件近く減少したにもかかわらず、前日(583人)より48人増えた。631人は、新型コロナ第1波の真っ只中だった2月29日の909人、3月2日の686人に続く、史上3番目の規模だ。
中対本は、レベル2.5の施行により、首都圏の1日当たりの新規感染者数を150~200人にまで減らすという目標を掲げた。中対本のパク・ヌンフ第1次長はこの日の定例ブリーフィングで「首都圏のレベル2.5は、全国的な大流行を防ぐ最後の機会」とし「これをもってしても感染拡散の勢いが収まらなければ、医療システムの崩壊が現実となる可能性がある」と述べた。