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ギクシャクし続ける韓日関係…出口が見えない

登録:2020-11-23 06:29 修正:2020-11-23 10:07
10月13日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのミッテ区役所前で、区による「平和の少女像」撤去命令に抗議するデモが行われている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 日本の自民党議員らがドイツのベルリン市に建てられた「平和の少女像」の撤去を求める声明を送ったことが分かった。外交部は「日本軍慰安婦被害者問題の解決に役立たない」と反論した。

 21日付の産経新聞によると、自民党議員82人は18日、少女像撤去の方針を支持する内容の声明をミッテ区長と区議会議長宛てに送った。稲田朋美元防衛相や高鳥修一衆議院議員らが中心となった同声明で、彼らは、少女像が「芸術作品または戦時の性暴力被害者一般に対する表現ではなく、日本のみを標的とし、日本の尊厳性を一方的に傷つけている」と主張した。また「ミッテ区が一方的な政治的支持を示す印象を与え、日独間の友好関係に悪影響を及ぼす恐れがある」と警告した。

 これと関連して韓国外交部当局者は22日、「韓国政府は第3国内の少女像と関連し、厳然とした歴史的事実に関する追悼・教育のために民間で自主設置した造形物を人為的に撤去しようと関与するのは、日本軍慰安婦被害者問題の解決に役立たないだけでなく、日本が自ら明らかにした責任の痛感と謝罪、反省の精神にも逆行する行動」だと述べた。韓国政府がこれまでこの問題に関して示してきた立場だ。

 ミッテ区の都心にある少女像は、今年7月に区庁側の許可を受け、9月末に建てられた。しかし、茂木敏光外相が直接乗り出すなど、撤去に向けた日本政府の圧力が続いたことを受け、ミッテ区は少女像の設置から9日目の先月7日、少女像の撤去命令を下した。これに対し、市民団体「コリア協議会」は、ベルリン行政裁判所に少女像撤去命令効力執行停止申請を申し立てており、ミッテ区は「裁判所の判断を待つ」として撤去を保留した状態だ。今回の声明は、日本の議員が大挙乗り出して、少女像撤去に向けた攻勢を後押ししたものと言える。

 韓国側は今月に入って、パク・チウォン国家情報院長やキム・ジンピョ韓日議員連盟会長らが相次いで菅義偉首相を表敬訪問し、韓日関係の改善に力を入れている。両国が強制徴用被害者の賠償問題をめぐる隔たりを埋められない状況で、来年7月の東京五輪の開催の成功を媒介に協力の糸口をつかみたい構えだ。しかし、この過程で、日本は依然として強制徴用被害者賠償判決を無力化する韓国政府の措置を先決条件として掲げている点が明らかになった。

 20日には在韓日本大使館側が韓国記者団に、「日本政府が近く福島原子力発電所から排出される放射能汚染水の海洋放出を決定するだろう」と明らかにした。韓国政府が要請すれば、情報公開をはじめ、環境影響関連の共同調査に応じる方針だが、放出決定自体については協議する考えがないことも確認した。冷え切った韓日関係は、このまま冬を迎える見込みだ。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/970927.html韓国語原文入力:2020-11-22 12:59
訳H.J

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