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[社説]策略で包装された‘文化放送掌握作戦’

登録:2009-12-13 11:14
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/392891.html

原文入力:2009-12-11午後08:40:53

放送文化振興会(放文振)が一昨日<文化放送>の報道と製作担当役員らを解任したことにより、政権の文化放送掌握が仕上げ段階に入った。文化放送の最大株主である放文振の今回の措置は、放送の内部人事まで直接掌握する‘摂政’を公式化したものということができる。これだけでも公営放送としての文化放送の地位は深刻に損傷された。報道・製作の独立性も危機に瀕した。

この過程で放文振がオム・ギヨン社長の辞表を差し戻すことにより彼を再信任したことは、こざかしい策略で包装された拙劣な手法といえる。。放文振は実務役員陣を選任し、彼らの思い通りの報道・製作をするようにし、それに起因する問題はオム社長に押し付けるためだ。今や、オム社長が退くことを覚悟しない限り、文化放送は放文振の意図にもてあそばれることを避け難い。その上、オム社長は放送の独立性を要求してきた構成員らからも敬遠されるようになった。直後に文化放送労組は「放文振の再信任を受けたオム社長をこれ以上公営放送の社長と認定しない」と宣言した。

状況がこのようになったのは何より放文振の執拗な文化放送掌握努力にともなう結果だろう。しかし、オム社長も責任を免れることはできない。放文振の圧力がいくら強くとも、オム社長が一人で退く覚悟で対抗したとすれば状況はここまでにはならなかっただろう。経営陣全員の辞表提出は放文振の処分に従うという降伏宣言に他ならなかった。実際に辞表の選別処理は放文振理事会以前から予想されたシナリオの一つであった。

今や公営放送を守ることは文化放送構成員らの役割となった。報道・製作責任者が政府の意志により交代する事態を放置できないということは、放送人がもっともよく分かっているだろう。それでも今回の事態をそのまま見過ごすならば、<韓国放送>に続き文化放送まで政権に掌握されることにより、韓国の公営放送は拠って立つ場所を失うことになる。これは結局、放文振やオム社長だけでなく文化放送構成員全体も、公正な放送を望む視聴者たちから敬遠される事態につながるだろう。

文化放送独立のための戦いはすなわち公営放送を守るための戦いだ。放送人たちが確固たる意志を見せるならば、市民社会も応援するだろう。このように力が集まれば、放送を権力の手先にしようとする政権と放文振の陰謀は阻むことができる。オム社長も放送人としての良心を守るならばここに参加しなければならない。

原文: 訳J.S