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[寄稿]新型コロナに対するビタミンDの効能「鶏と卵の問題」

登録:2020-11-04 01:51 修正:2020-11-04 08:58
ゲッティ・イメージバンク//ハンギョレ新聞社

 必須の栄養素の一つであるビタミンDが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状の悪化リスクを下げ、予防にも役立つという研究結果が相次いで発表されたことで、その効能が改めて注目されている。骨の健康に良いと言われるビタミンDは、COVID-19にも効果があるのだろうか。最近の健康診断でビタミンD欠乏との診断を受けたので知りたくなり、最近の研究動向や資料を当たってみた。

 最近も先月末にスペインの研究陣が、COVID-19の患者216人を調査したところ、患者の80%以上にビタミンD不足が見られたという結果を発表している。9月には米国とイランの共同研究陣が、イランの病院に入院しているCOVID-19の重症患者235人を調査し、ビタミンDが十分な患者の死亡リスクはビタミンD不足の患者に比べて51.5%低いことが分かったと学術誌『プロス・ワン』に報告している。ドナルド・トランプ米大統領がCOVID-19の治療中に、様々な処方とともにビタミンDを服用していたという話も伝えられている。

 しかし、治療や予防の効果はまだ不確実で、時には誇張されているとの指摘もある。実際に、メディアにかなり報道された9月の『プロス・ワン』の論文をめぐっては、研究方法と結論に疑問と批判が提起されたのに続き、最近『プロス・ワン』の編集委員会もビタミンDがCOVID-19の重症化リスクを下げるというような結論を受け入れることに注意を呼びかける「懸念表明」を行い、論文の再評価を開始した。

 炎症を改善し、免疫に良い効果を与え、治療に役立つ可能性があるという複数の報告がなされているが、ビタミンDの効能がまだ明らかな事実として定着していない理由の一つは、ビタミンDの効能だけを個別に検証することが案外容易ではないためだ。年齢、疾病、環境などによって異なる可能性がある。そのため、「鶏が先か、卵が先か」といった疑問も提起され続けている。ビタミンD不足がCOVID-19の症状悪化の原因なのか、その逆なのかははっきりしない。患者が室内に長くとどまることで、ビタミンDの合成に必要な日光を浴びる時間が減るなどの理由で、結局ビタミンD不足を招く恐れがあるというのだ。相関関係は立証されていても、因果関係は立証されていないということだ。

 それでもパンデミック時代にビタミンDの可能性は注目されている。イギリスでは5000人を集めてビタミンDの効能を検証する大規模な臨床試験が始まる。世界最大の臨床試験登録所(tinyurl.com/y4g8wc5r)の資料によると、現在COVID-19に関する世界各地のビタミンD臨床試験は、実に59件にのぼる。

 鶏と卵の問題はまだ不確実だが、すでに確実なこともある。ビタミンDの取り過ぎはむしろ体に有害であるということ、日光に当たる時間を増やしたりサプリメントを飲んで適正なビタミンD数値を保てば、何はともあれ健康に役立つということだ。

//ハンギョレ新聞社

オ・チョルウ|ソウル科学技術大学講師(科学技術学) (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/968340.html韓国語原文入力:2020-11-03 15:16
訳D.K

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