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韓国検察、前正義連理事長のユン議員を「約500万円の募金横領」の疑いで起訴

登録:2020-09-15 06:23 修正:2020-09-15 07:33
共に民主党のユン・ミヒャン当選者(当時)が5月29日午後、国会疎通館で記者会見を開き、正義記憶連帯活動当時の会計不正など各種疑惑に対する立場を表明している/聯合ニュース

 検察が正義記憶連帯(正義連)の「会計不正」疑惑の捜査に着手してから約4カ月後に、正義連前理事長のユン・ミヒャン共に民主党議員を裁判にかけた。

 ソウル西部地検は14日、いくつかの個人口座を利用して日本軍「慰安婦」被害者たちの海外旅行経費などで募金した後、5755万ウォン(約510万円)を個人的に使った疑い(業務上横領)で、ユン議員を在宅起訴したと発表した。ユン議員は、認知症を患っているキル・ウォノクさんが受け取った女性人権賞の賞金の一部などを、正義連に寄付させた容疑(準詐欺)もかけられている。

 正義連理事のA氏(45)も、国家補助金を虚偽に申請し、他の用途に使用するほか、管轄官庁に登録せず、約41億ウォン(約3億7千万円)の寄付金を募集した容疑(寄付金品法違反)などで、ユン議員とともに起訴された。彼らは被害女性たちの憩いの場として使う京畿道安城(アンソン)のヒーリングセンター(安城憩いの場)を相場より高く購入し、団体に損害を与えた容疑(業務上背任)も受けている。検察はまた、彼らに2014年から2019年にかけて、安城憩いの場を市民団体や地域政党、個人などに50回あまり貸し、宿泊費を受け取るなど、未申告の宿泊業を営んだ容疑(公衆衛生管理法違反)も適用した。

 検察は、ユン議員が個人口座で「慰安婦」被害者ハルモ二の葬式費用などを集めたのも「寄付金」と見なした。ユン議員は昨年、故キム・ボクトンさんの葬儀費の名目で約1億7千万ウォン(約1500万円)を個人口座で受け取った。ユン議員側は、「香典にあたるものなので、寄付金登録をしなかった」と主張した。ユン議員は、寄付金の一部と挺対協の法人口座の金、計約7800万ウォン(約700万円)ほどを個人的に使った容疑も、一部の公訴事実に盛り込まれている。

 しかし、検察はユン議員が寄付金と補助金の名目で集めた金を個人的に流用したという疑惑に対してはほとんどを不起訴処分にした。一部では約3億ウォン(約2700万円)がかかるユン議員の娘の留学費用と関連し疑惑を提起したが、検察の捜査の結果、夫婦と親戚の金、ユン議員の夫が受け取った刑事補償金などで留学費を賄ったことが確認された。ユン議員の京畿道水原(スウォン)のマンションも定期預金解約金と家族、職員から借りたお金などで購入したと検察は明らかにした。

 また検察は、ユン議員の夫が運営する地域メディアに挺対協と正義連が「仕事の集中発注」を行ったという疑惑や、ユン議員の父親が安城憩いの場の管理人として登録され、給与を受け取ったという疑惑についても、特に問題は確認されなかったと発表した。

 検察は、正義連の前身である挺身隊問題対策協議会(挺対協)理事約10人と、正義連の元・現職理事22人などについては「嫌疑なし」と結論付け、会計担当者2人は加担した程度が重くないとして、起訴猶予処分にした。会計報告や公示に不備が多かったが、これらに関する処罰規定がないというのが、検察の説明だ。検察はこれと関連し、公益法人法の適用の拡大や公示の不備などに対する制裁の強化など、法制度の改善を法務部に建議する方針だ。

チェ・ユンテ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/962077.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2020-09-14 16:37
訳H.J

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