サラン第一教会で何が…２０人余りが宿泊し、狭い礼拝堂で賛美歌
300人余りの新型コロナウイルス感染者が発生したソウル市城北区(ソンブクク)のサラン(愛)第一教会は、「合宿礼拝」「マスク不着用説教」など、保健当局が強調した防疫規則を守っていなかったことが17日確認された。警察は、自宅隔離規則に反して15日の光化門(クァンファムン)集会に参加したチョン・グァンフン担任牧師に対する捜査に着手した。
ハンギョレの取材を総合すると、サラン第一教会では最初の感染者が出た12日の直前まで、大規模な室内礼拝と合宿礼拝が実施されていた。7日から12日まで信者20人余りと一緒にこの教会で合宿した70代の女性Ａさんの息子は、この日ハンギョレに「母が地方から上京してきた人々と一緒に教会の講堂で徹夜祈祷を捧げ宿泊した」と明らかにした。
Ａさんが合宿した時期に教会側がユーチューブに上げた映像を見ると、一部の教会関係者がマスクを着用していなかったり、“アゴマスク”(マスクをあごにかける誤った着用法)をしている場面が出てくる。9日(日)の礼拝ではチョン・グァンフン牧師がマスクを着用せずに数百人が参加した中で礼拝を進める場面がそっくり記録されていた。8・15光化門集会を控えて進行された「サラン第一教会の毎日祈祷会」では、信者が狭い礼拝堂に集まり2時間ずつ賛美歌を歌っていた。多数の教会信者と訪問者が、室内に長時間留まり、祈祷し食事を共にした。
この教会では12日に最初の感染者が出た後に感染者が続出した。信者と訪問者に対する自宅隔離と積極的な検査が必要だったが、Ａさんの息子は「教会関係者が光化門集会を理由に検査を遅延させた」と主張した。Ａさんの息子は「母は12日から発熱や下痢など新型コロナ感染症の症状が現れたが、集会関係者が電話で『8・15集会以後に検査を受けなさい』と言った」と話した。だが、家族の勧めでＡさんは集会には参加せず、近隣の選別診療所で検査を受け、16日に陽性判定を受けた。これについて教会側は「教会次元で合宿を行ったのではなく、個別に参加した信者たちが早朝のお祈りをするために泊まったようだ」とし、「12日に感染者が出てからはすべての礼拝を中止し保健所の指示に従うよう公示した。集会以後に検査を受けろと言ったことはない」と主張した。
中央事故収拾本部は16日、チョン・グァンフン牧師を感染病予防法違反の疑いで告発した。中央事故収拾本部の関係者は「チョン牧師が15日午後2時にソウル市から自宅隔離命令を受けたが、午後3時10分頃にソウル光化門集会に参加して自宅隔離命令に違反した」として「教会がソウル市に提出した来訪者名簿にチョン牧師の名前が脱落しているなど、疫学調査を妨害した疑いでソウル地方警察庁に告発した」と明らかにした。チョン牧師は、教会信者に集会への参加を促した疑いも受けている。
教会側は、チョン牧師が自宅隔離命令に違反した事実はなく、集会への参加を促したこともないと主張した。チョン牧師の弁護人であるカン・ヨンジェ弁護士は、この日記者会見を行い「チョン・グァンフン牧師はいかなる通知も受けておらず、15日午後6時頃に隔離通知書を受け取った」と主張した。だが、チョン牧師は15日の集会に参加して、午後3時20分頃に行った演説の中で「私はこのとおり完全で熱もないのに、区庁が私たちの教会を訪ねてきて私を隔離対象に決めたと通知した」と発言している。自ら自宅隔離規則の違反を認めているわけだ。
警察は、チョン牧師が教会信者を含む不特定多数に対し光化門集会への参加を促した映像を確保し、チョン牧師に対する捜査を進行中だ。チョン牧師は11日、保守ユーチューブチャンネルに出演し「武漢(新型コロナ)ウイルスのために集会禁止令を下したからといって、国民が集まらないわけはない」と言い「教会を売ってでも集会を実施するから、その日(8月15日)出て来さえすればよい。1千万人近くが集まりそうだ」と話した。15日にマスクを着けずに集会で演説したチョン牧師は、17日に新型コロナ感染症の陽性判定を受けた。
訳J.S