#1.
「職員5人未満の福祉機関に勤務しています。施設長は会議のたびに、機関のことを外部に言う職員に対し、「首を切ってやる」と脅迫します。暴言を止めれば「この××(侮辱的な暴言)。どうしてお前だけ口答えするんだ!」と怒鳴りつけ、出勤が地獄のようです。5人未満の事業所の職場内いじめは雇用労働部も支援できないそうですが、どうしたらよいでしょう」
#2.
「上司と業務に関する話をしていた時、常識以下の悪口を言われました。加害者に問題を提起すると、私を他部署へ移動させたのですが、新しい部署長も加害者と親しい人なので、様々な難癖やいじめなど『パワハラ』に苦しんでいます。会社に正式に届け出ましたが、たいした問題ではないとして、加害者に対し何の措置も取りませんでした。調査過程では逆に私の過ちばかりが追及され、追い詰められています」
上の文章は、労働人権団体「パワハラ119」に今年上半期に情報提供された職場内のいじめの一部だ。16日で職場内いじめ禁止法(労働基準法第76条の2)の施行から1年を迎えるが、勤め人の10人に7人は、この1年で職場内のいじめ行為はあまり変わっていないと考えていることが分かった。処罰規定の不在や広範な死角地帯などにより、同法が職場内いじめの実質的な対策にはなっていないと解釈される。
雇用労働部と韓国労働法学会の共催で15日に開かれた「職場内いじめ禁止制度1周年討論会」において、韓国産業技術大学のイ・サンヒ教授(知識融合学部)が発表した、勤め人1000人を対象として行われた実態調査の結果によると、法施行から1年間で、所属する会社内で職場内いじめがどれだけ変化したかを問う質問に対し、回答者の71.8%は「変化なし」と答えた。「減少した」という答えは19.8%にとどまり、「増えた」も8.4%にのぼった。
職場内でいじめを受けた場合は、「雇用労働部などの外部機関への通報」(21%)や「社内での苦情の申し立てまたは通報」(20.7%)などの公式の手続きで解決するという回答と、加害者以外の同僚への相談(23.5%)、▽退職(13%)、▽無対応(8.4%)、▽移動の要請(1.8%)など、個人で対応するとの回答が拮抗した。法施行から1年を経ても、多くの勤め人は、依然として職場で直面するいじめに積極的に対処することをためらっているということだ。イ・サンヒ教授は実態調査の結果について「被害を訴えた者に対する不利益を禁止しているにもかかわらず、いじめ被害の届け出による不利益を懸念する回答者が多かった」と評価した。
このような認識の背景には、現実を十分に包括できていない現行法の限界がある。まず職場内でいじめ事件が発生した際に、調査・措置義務のある事業主が問題を傍観しても、処罰する条項さえない。人事・教育制度が事実上皆無で、ただでさえ職場内のいじめ被害に脆弱な5人未満の事業所はもちろん、派遣・下請労働者が元請所属の加害者にいじめられた時も、この法律の該当事項とはならない。このような差は、職場内のいじめが法律で禁止されているということを、どれほど知っているかの差にもつながる。パワハラ119が今月初めに勤め人1000人を対象としてアンケート調査を行ったところ、同法の適用を受ける公共機関(75.2%)と300人以上の企業(75.7%)の労働者の約75%は「職場内いじめ禁止法を知っている」と答えた。一方5人未満の事業所では、同法を知っていると答えたのは従事者の40%だけだった。
パワハラ119のオ・ジンホ執行委員長は「加害者処罰条項を作ると刑事処罰の対象になることから、いじめの認定基準を現在より厳格に適用せざるを得ないという懸念はあるが、それさえないと、零細事業所になるほど常習的ないじめ加害を制裁する方法がなくなる。最近、故チェ・スクヒョン選手暴行事件などで、職場内のいじめ問題に対する関心が高まっており、第21代国会の初の通常国会で法改正を急ぐべき」と述べた。