ソウル梨泰院(イテウォン)のクラブを中心に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)集団感染の累積患者数が100人を超えた。感染者が出たクラブは、これまで知られている6軒より3軒多い9軒と把握された。ソウル市は梨泰院近くの携帯電話基地局の接続者約1万人のリストを確保し、連絡を取るなど、隠れた感染者の追跡に力を入れている。
中央防疫対策本部は12日正午基準で、梨泰院のクラブを中心とした集団感染によるCOVID-19患者が102人に増えたと発表した。このうちクラブを訪れた人が73人で、感染者の家族・友人など2次感染者が29人だ。市中感染拡大への可能性は、依然として全国各地に潜んでいる。同日、全羅北道金堤市(キムジェシ)では今月5日、梨泰院のクラブや居酒屋などを訪れた公衆保健医Aさん(33)の感染が確認された。Aさんは翌日から11日までの4日間、選別診療所と保健支所で約50人を診療したという。仁川(インチョン)では梨泰院一帯に行ったことのない住民2人の感染が確認された。ソウル龍山区(ヨンサング)などは同日、感染者らが訪れた梨泰院周辺のクラブなどが9軒に増えたと発表した。追加で確認されたクラブの中には、一般飲食店として許可を受けたものの、クラブとして運営されているところもあった。
ソウル市は同日、警察庁と通信会社の協力を得て、4月24日~5月6日に梨泰院近くの携帯電話基地局の接続者1万905人のリストを確認し、ショートメッセージを2回送って、COVID-19検査を受けるよう案内した。ここにはすでにソウル市が確保した梨泰院のクラブ5軒の訪問者(5517人)もほとんど含まれているが、リストで虚偽の番号と推定される1982人は防犯カメラ(CCTV)資料などを確認して調査する方針だ。また、クレジットカード会社でカード利用者494人のリストも確保し、検査と自宅隔離を行うようにした。
防疫当局は、個人情報の流出を警戒する人たちに自発的な検査を誘導するため、ソウル市が施行する匿名検査を他の地方自治体にも適用する案を検討している。