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「ハンビッ原発、国内原発で安全性は最低」

登録:2019-10-08 04:43 修正:2019-10-08 07:49
全羅南道霊光のハンビッ原発=韓国水力原子力提供//ハンギョレ新聞社

 全羅南道霊光(ヨングァン)のハンビッ原発は、格納建屋内部の隙間と鉄板腐食が国内原発22カ所の中で最も多く発見されるなど、安全性が低いという指摘がなされた。民主党のイ・ゲホ議員は7日、韓国水力原子力(韓水原)から提出された資料「原発防護壁の鉄板(放射能流出防止用の内部炭素鋼板材:CLP)の腐食と隙間の現況」を分析し、このように明らかにした。

 今年7月、ハンビッ原発4号機原子炉格納建屋の防護壁で、長さ157センチの隙間(穴)が発見された。コンクリート壁の厚さは本来167.6センチなので、10センチを残して空洞になっていたわけだ。ハンビッ原発4号機は2017年にも蒸気発生機の中から施工中に置き忘れたものと見られるハンマーが発見され、住民のひやりとさせた。

 上記の資料によると、2016~2019年の4年間に原発で発見された防護壁内部の隙間の94.2%に当たる278カ所、鉄板腐食の60.1%に当たる467カ所がハンビッ原発に集中していた。原子力安全委員会は2016年6月にハンビッ原発2号機で鉄板腐食が初めて発見された後、全ての原発を調査した。この点検により鉄板腐食は原発10基から777カ所、内部の隙間は原発8基から295カ所がそれぞれ発見された。ハンビッ原発の中でも4号機は腐食が120カ所、隙間が121カ所発見され、3号機は腐食が2カ所、隙間が124カ所見つかるなど深刻だった。

 ハンビッ原発の格納建屋から欠陥が多数発見された理由は、建設当時にコンクリート打設が不十分だったうえ、工期を短縮するために補強材を除去せずに工事したためと分析される。建設期間中の1990年11月21日付の韓電(韓国電力公社)による現場設計変更要請書を見ると、補強材を除去しない設計に変えるように要請した内容があり、設計を担当する韓国電力技術は翌日これを承認している。

 イ議員は「格納建屋は、事故が起きた時に放射能の外部流出を食い止める最後の安全装置だ。他の原発は補強材を除去して工事を行ったが、ハンビッ3・4号機だけはそのまま工事を行った。ひときわ欠陥が多く発見されたハンビッ原発の周辺住民の不安が大きいだけに、原因を究明し、早急に対策を立てなければならない」と述べた。

 格納建屋の欠陥を補修するにも莫大な予算がかかるという批判も相次いだ。最近、民衆党のキム・ジョンフン議員が韓水原に問い合わせたところ、ハンビッ原発3・4号機の隙間と腐食を補修するのに586億ウォン(約52億円)かかることが明らかになった。全原発の隙間と腐食を補修するには1655億ウォン(約147億円)が必要となる。

 原子炉を覆うドーム型の格納建屋は、爆発などの事故が起こった時に1次防護の役割を果たせるよう、厚さ168センチのコンクリート防護壁と厚さ6ミリの炭素鋼鉄板が備えられている。当然、防護壁は原発稼働が終わるまで耐久性を維持しなければならない。また、炭素鋼鉄板は水分や塩分による腐食や施工以降の磨耗などで厚さが5.4ミリ未満と測定されれば、交換もしくは補強を行わなければならない。

アン・グァノク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/912298.html韓国語原文入力: 2019-10-07 16:50
訳D.K

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