北朝鮮とロシアの首脳会談が25日、8年ぶりに開かれた。2月末のハノイの朝米首脳会談が物別れに終わった後、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が初めて乗り出した外交の歩みだ。北朝鮮としては、まだ時期は決まっていない非核化の交渉再開を控え「段階的・同時的解決」策についてロシアの支持を確保し、朝米交渉においての位置づけを強化しようとする試みと解釈できる。今回の会談が非核化交渉の再開を後押しし、朝鮮半島の平和と安定に寄与することを期待する。
金委員長は今回の首脳会談をめぐって「朝鮮半島と地域情勢について互いに意見交換するため」と明らかにし、プーチン大統領も「朝鮮半島問題を解決することに寄与するだろう」と話した。両首脳が会談の最も重要な議題として朝鮮半島の非核化問題を挙げたわけだが、これは最近、朝米間の交渉が膠着状態に陥った状況であるだけに、少なからぬ意義がある。特にプーチン大統領は「北南対話を支持し、朝米関係を正常化しようとする努力も支持する」として、公けに「交渉路線」の支持を表明したが、ロシアのこのような態度は朝鮮半島の非核化をめぐる対話局面の復元に肯定的に作用するはずだ。両首脳は朝ロ間の経済協力と人的交流拡大問題なども議論したが、これは国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁によって限界があるだろうという見方が多い。
非核化の交渉はハノイの朝米首脳会談決裂以降、非常に至難な過程になる可能性が高い。米国のマイク・ポンペオ国務長官は24日の交渉展望について「平坦でなく挑戦的だろう」と話した。しかし、大変だからといってあきらめることはできない。北朝鮮は今回、朝米非核化交渉についてロシアの支持を再確認したことを契機に、あらためて朝米交渉に積極的に取りむべきだろう。ハノイでの朝米首脳会談から2カ月近い冷却期が過ぎたが、時間が経つほど交渉再開の動力が落ちる恐れがあることを肝に銘じなければならない。北朝鮮は最近、非核化交渉の責任を負っていた金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長を交替するなど、対米交渉ラインを再整備したと分かった。このような動きが交渉再開のための事前の地ならしであることを期待する。
北朝鮮核問題は朝鮮半島レベルの問題ではない。東北アジア全体の安定と密接に結びついている。朝ロ首脳会談が朝鮮半島の平和と安定のための過程で時期適切な役割をするように願う。