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ファインテック代表「労組が入ると親会社がなくなる」…労組は反発

登録:2019-01-09 10:23 修正:2019-01-09 12:05
団体協約履行などを求めて高空座り込みをしているファインテックのホン・ギタク前支会長とパク・ジュンホ事務長が無期限ハンスト2日目に入った8日、スターフレックスのカン・ミンピョ専務がスターフレックス事務室で記者懇談会を開き立場を表明した=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 ファインテック労働者2人が8日で423日間高空座り込みをし、3日目の無期限ハンストをしているなか、ファインテック社側が労組に対して非難する発言をし、事実上交渉決裂を宣言した。労組側は強く反発している。

 ファインテックのカン・ミンピョ代表(スターフレックス専務)はこの日午前11時、ソウル陽川区(ヤンチョング)木洞(モクトン)のスターフレックス事務室で記者懇談会を開き、「(労組との)4回にわたる交渉で接点を見出したた部分が水の泡となり、前回の第4回交渉で会談が決裂した」と述べた。これに先立って、金属労組のファインテック支会とスターフレックス(ファインテックの親会社)のキム・セグォン代表は、先月27日から4回にわたって交渉を行ったが、意見の隔たりを埋められなかった。

 カン代表は、交渉過程で労組とキム・セグォン代表の法的責任を担保するため「キム・セグォン代表がファインテックの最大株主として参加する資本出資」をすることで暫定的に意見をまとめたが、賃金とボーナス、労組専任者の要求などで合意に至らず、交渉が決裂したと主張した。カン代表はさらに「親会社のスターフレックスへの雇用要求は絶対不可ということを2014年から明確にした」とし、「スターフレックスに雇用すれば株主が大騒ぎになる」と明らかにした。

 カン代表は、キム・セグォン代表がファインテック代表を務めることが不可能な理由について、「今、法的に切り離されているにもかかわらず、(ファインテックの労働者がキム・セグォン代表を)引き出している。キム・セグォン代表がファインテック代表にまでなっていたら、また煙突に上がってキム代表を引き出すことになる」と述べた。

金属労組ファインテック支会のチャ・グァンホ支会長が8日午後、ソウル陽川区のスターフレックス事務所のあるビルの前に設置されたテントの座り込み場でハンストを続けている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 これに先立ち労組側は7日、「労働者たちはファインテックで最低賃金より1000ウォンほど高い時給をもらって一生懸命働こうとしたが、粗悪な寮で集団飼育されているようで、社員福祉の概念はそもそもなかった」とし、「第3回交渉ではキム・セグォン代表がスターフレックスへの直接雇用ではない代案で、自分のすべての責任を拒否する『社会的企業程度でどうか』と提案して交渉が決裂し、第4回交渉でもキム代表は幽霊会社のファインテックを再稼働する内容ばかり提案した」と明らかにした。労組は「労働者たちはファインテックを再稼働した場合、少なくともキム代表がファインテック代表を務め、廃業した場合スターフレックスへの雇用継承などを明示するよう求めたが、会社側は受け入れなかった」と付け加えた。

 「スターフレックス(ファインテック)闘争勝利のための共同行動」のキム・ソヨン代表は「雇用期間3年を話したが『3年後にどうするのか』と会社に尋ねると、会社は『それをわれわれがどうして責任を取るのか』と言った」とし、「キム・セグォン代表が実質的に責任を負わなければ、(雇用保障の)約束はどうなるのか」と語った。キム・ソヨン代表は「キム・セグォン代表がファインテックの最大株主として参加する資本出資」という交渉案について「株主は本人の権利はあるが責任はない」とし、「そうなれば誰に責任を問うことができるのか。すでにキム・セグォン代表は2度も約束を破った」と付け加えた。

 ファインテック労働者をスターフレックスに直接雇用するのが難しい理由について、カン代表は「(スターフレックスでファインテック労働者を雇用できる余力があるという点は)否定しない」としながらも、「(直接雇用が)行われれば、スターフレックスさえなくなる。スターフレックスまで(廃業した)スターケミカルのようになる」と話した。さらに「労組は一生の責任を取れというが、そんな会社がどこにあるのか」とし、「この人たちは労働の対価として生計維持や家族扶養をしようとするのではなく、政治的なことや他の目的がある。資本家は打倒の対象であり、20年前の事故に埋没している。私も大学時代に石を投げた左派だ」と労組を露骨に非難した。

 これに対し、キム・ソヨン代表は「労働組合に対する非常に強い嫌悪がある」とし、「本人の想像力で労働組合を歪曲している」と述べた。キム・ソヨン代表は「交渉序盤にはスターフレックスにファインテック労働者を雇用継承せよと要求したが、それができなかった」とし「会社が死んでもだめだというから、この事案を繰り返さないためにキム・セグォン代表が責任を取るべきだという内容を主張することになったが、受け入れなかった」と述べた。

8日午後、高空座り込み中のソウル木洞の熱併合発電所の煙突で、水、酵素、塩などが入った入れ物が上げられている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 一方、ソウル木洞の熱併合発電所の75メートルの煙突の上で座り込みをしているホン・ギタク、パク・ジュンホの二人のファインテック労働者は、この日午前10時、健康検診のために煙突に上って来た医者から低血糖と診断を受けた。医者たちは、ハンストはやめないという彼らを説得して、酵素を煙突の上に届けたと明らかにした。

イ・ジョンギュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
www.hani.co.kr/arti/society/society_general/877483.html韓国語原文入力:2019-01-08 20:20
訳M.C

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