本文に移動

全国の裁判官代表、自ら「司法壟断判事の弾劾」審判台にあげた

登録:2018-11-20 06:36 修正:2018-11-20 10:01
今月19日、京畿道高陽市の司法研修院で開かれた全国裁判官代表会議に出席した裁判官らが同日夕方、キム・ミョンス最高裁長官と構内食堂で晩餐を終え、会場を後にしている=高陽/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 全国裁判官代表会議(議長チョ・ギサン・ソウル北部地裁部長判事)がヤン・スンテ最高裁長官時代の司法壟断行為について、「弾劾訴追の手続きまで検討すべき重大な憲法違反」であるという結論を下した。国民の「司法への不信」が日増しに高まる中、第一線の裁判官らが最小限の自浄能力を示したものと評価されている。現場の裁判官たちの代表機構が「裁判官弾劾の必要性」を訴えただけに、弾劾訴追の権限を持つ国会の対応が注目される。

 裁判官会議は19日、京畿道高陽市(コヤンシ)の司法研修院で第2回定期会議を開き、『裁判独立の侵害などの行為に対する我々の意見』を議決した。裁判官会議は「我々は裁判所事務総局の関係者が特定の裁判に関して政府関係者と裁判の進行方向について協議し、意見書の作成など諮問を行った行為や、一線の裁判部に連絡して、特定の内容と方向の判決を要求すると共に、裁判の手続きの進行について意見を提示した行為が、懲戒処分以外に弾劾訴追の手続きまで検討されるべき重大な憲法違反行為であることに認識を共にした」と明らかにした。裁判官会議は、約3時間にわたる討論の末、出席裁判官105人のうち過半数の53人の賛成と43人の反対、9人の棄権でこのような内容を議決した。

 これまで「司法壟断」にかかわった現職の裁判官を弾劾すべきという主張は、裁判所の外部だけに存在した。今回の議決案は、大邱(テグ)地裁安東支院所属の判事6人が先週、裁判所内部に向かって「明白な裁判独立の侵害行為に対し、違憲的な行為だったことを国民に告白すべき」と訴えたのがきっかけとなった。

 裁判官会議が同僚や先輩、後輩裁判官の「弾劾」まで議決したのは、「司法壟断」事態の厳重さと国民の信頼を永遠に失いかねないという危機感などが複合的に働いた結果とみられる。ある裁判官代表は「否決されれば、裁判官たちの自浄意志と努力が完全に否定されかねないという危機感に対する共感が形成された」と語った。ある裁判官は「負担を感じる案件だったが、これを機に確実に過去と断絶しなければならないという意志が強く、議決されたものとみられる」と話した。特に、彼は「検察の捜査過程で(個別の裁判官に対する)人事上の不利益が確認された。今回の事態の始まりである『裁判官ブラックリスト』について『調べたが、人事上の不利益はなかった」と歪曲した責任者に対する怒りと裏切り感が大きかった」と付け加えた。また、別の地裁部長判事は「裁判官会議まで(議決案を)否決したとすれば、司法府全体が身内をかばっているという批判を免れなかっただろう」と話した。

 今回の弾劾議論は今後、司法府の独立とそれに向けた監視手段としても重要な契機になる見通しだ。法曹界と学界では、憲政史上裁判官への弾劾訴追が一度もなかったこと自体が異常だったという指摘もある。国民が選んだ大統領を2度も弾劾訴追した経験のある国会が、裁判官の弾劾訴追を一度も行っていないこと自体が、「司法府の聖域化」を裏付けているということだ。全北大学法学専門大学院のソン・ギチュン教授は「(国民の)司法府への不信は依然として大きいが、裁判所に健康な判事がいるというのが希望を示している。国会は一日も早く公正な裁判に対する信頼を裏切った裁判官を弾劾訴追すべきだ」と指摘した。

高陽/キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/870918.html韓国語原文入力:2018-11-19 21:20
訳H.J

関連記事