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待っていたかのように…米マスコミと民主党「トランプが金正恩に翻弄されている」

登録:2018-11-14 06:23 修正:2018-11-14 10:53
CNNの関連報道/ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が弾道ミサイル基地を引き続き運用しているという米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)の報告書が12日(現地時間)に公開されたことを受け、米マスコミと民主党が待っていたかのように北朝鮮核問題をめぐる交渉に疑問を呈している。2回目の朝米首脳会談が来年に持ち越され、高官級会談も8日に再び延期されるなど、朝米対話が停滞している間に発表された同報告書が、米政界の懐疑論に油を注いだわけだ。

 米マスコミは、報告書の内容を取り上げた記事がニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたことを受け、「6・12シンガポール首脳会談以来、『これ以上、核の脅威はない』としたトランプ大統領の公言と現実は異なる」という趣旨の報道を行った。CNNは報告書の作成に参加した戦略国際問題研究所のリサ・コリンス研究員の話を引用し、「専門家らは、北朝鮮に全体的な核計画を放棄する意思がないことが明らかだという見解を示してきた」と指摘した。ミドルベリー国際学研究所の核不拡散専門家のジェフリー・ルイス研究員は「金正恩(キム・ジョンウン)は約束を破っていない。その代わり、核兵器を大量生産するという約束を守っている」と皮肉った。彼は「金正恩がトランプを騙したのではなく、トランプが自分自身を騙している」と話した。金正恩国務委員長は核兵器の廃棄を約束したことがないにもかかわらず、トランプ大統領は脅威が除去されたかのように言ってきたというとことだ。ワシントン・ポスト紙はキム・ソンハン高麗大学国際大学院長を引用し、「朝米間の膠着状態が予想より長引く可能性もある」と報じた。

 中間選挙で下院多数党になる民主党は、第2回朝米首脳会談に牽制球を投げた。上院外交委員会東アジア太平洋委員会民主党幹事であるエドワード・マキ議員は声明を発表し、「トランプ大統領が金正恩に翻弄されている」と批判した。また「金正恩政権が核兵器と弾道ミサイル計画を中断し、元に戻す具体的で明確な行動を取るまでは、トランプ大統領はもちろん、マイク・ポンペオ国務長官も北朝鮮と会談してはならない」と主張した。

 米国務省は報道内容に対するマスコミの論評要請に、「トランプ大統領は、金委員長が完全な非核化と弾道ミサイルプログラムの廃棄を含む約束を守れば、はるかに明るい未来が北朝鮮と住民を待っている点を明確にしてきた」と原論的な答弁をした。

 一方、日本を訪問したマイク・ペンス米副大統領は13日、安倍晋三首相との共同記者会見で、「北朝鮮が完全な非核化を実現するまでは制裁を維持する」という立場を再確認した。安倍首相は「今日の会談でも、北朝鮮の完全な非核化に向け、安保理決議の完全な履行が必要だという認識で一致した」と述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/870042.html韓国語原文入力:2018-11-13 22:19
訳H.J

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