「ローマ法王の破格のメッセージは全く予想できなかった。ローマ法王の言葉を聞いて『ああ』と嘆声を上げた」
大統領府はローマ法王フランシスコと文在寅(ムン・ジェイン)大統領の会談結果を聞いた大統領府参謀陣の雰囲気をこのように明らかにした。大統領府の高官は19日(現地時間)、ローマ法王庁訪問の日程を終え、アジア欧州首脳会合(ASEM)が開かれるベルギーのブリュッセルに移動した後、記者団に前日行われた文大統領とローマ法王との会談の裏話を伝えた。
文大統領とローマ法王の単独面会は、韓国人司祭のハン・ヒョンテク神父だけが通訳に同席した中で行われた。大統領府が事前にローマ法王庁との協議を経て、会見の主要内容を公開することにしたが、ローマ法王が訪朝を受け入れたかどうかを確認するためには、文大統領またはハン神父から対話内容を聞くしかなかった。
文大統領が会談が終わると、ユン・ヨンチャン国民疎通首席が文大統領とハン神父に面談内容を聞いた。同高官は「ローマ法王は『私は北朝鮮に行ける』とイタリア語で話し、ハン神父がそれを説明しながら英語で表現すると『アベイラブル』(時間・余裕がある、available)だと話した」と伝えた。
また「ローマ法王との面会を終えた文大統領は、少し明るい表情だった。(訪朝を受諾した)法王の言葉を文大統領が伝えると、関係者たちは『ああ』と低い嘆声を上げた」とし、「ローマ法王の破格のメッセージは参謀たちもまったく予想できなかったものだった。私たちが期待し、望んでいた通りだと思う」と付け加えた。
前日、バチカンのピエトロ・パロリン国務長官がミサを執り行った際、韓国語で「文在寅大統領、金正淑(キム・ジョンスク)女史、歓迎します」と話したのは、大田(テジョン)教区長のユ・フンシク主教のおかげだった。ユ主教はイタリア語に堪能で、ローマ法王もよく知っているため、ユ主教がミサ前にパロリン国務長官に直接韓国語の発音方法などを教えたという。
同高官は「今回の文大統領のバチカン訪問日程に参加したローマ法王庁の高官らも、韓国に対する関心が非常に高かった。韓国のドラマや映画などについても知っていた。そのため、法王も韓国と朝鮮半島情勢についてよく知っていたと思う」と話した。