北朝鮮は、23~25日に予告している豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄の行事を取材するための南側記者団の名簿の受付を拒んでいる。韓国政府は21日、板門店(パンムンジョム)の連絡事務所を通じて北に記者団の名簿を再度通知しようとしたが、北は受付を拒否した。北は18日にも名簿の受付を明確な理由なしに拒否した。北朝鮮は朝米首脳会談を控えて最近米国と韓国にさまざまな不満を表している状況だが、韓国のメディア取材まで封じ込めることではない。北は約束した通り、さまざまな外信記者と共に、韓国のメディアも行事を取材できるようにしなければならない。
さまざまな情況上、北朝鮮は豊渓里核実験場の廃棄自体は予定通りに実施すると見られる。北朝鮮専門メディアの38ノースが公開した写真によると、北は核実験場の爆破シーン観測のための展望台の設置など準備作業を進めている。北朝鮮は韓国と共に中国・ロシア・米国・英国の記者の取材を許可するといったが、すでに北朝鮮の招請を受けた記者団は22日午前に中国の北京の北朝鮮大使館に集合するよう通達されたという。まだ招請を受けていない南側記者団は、ひとまず21日に訪中し、北京の北朝鮮大使館に北朝鮮訪問ビザを申請するという。
北朝鮮が予定通り核実験場の廃棄を進めることは幸いだが、板門店宣言の当事者である韓国のメディアにこのように非協調的であることは理解しがたい。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、4・27板門店宣言を通じて完全な非核化実現に合意した。核実験場の廃棄はその第一歩で、北朝鮮が意欲的に準備した行事だ。そのような行事に韓国のメディアを除くならば、板門店宣言の趣旨を色あせさせてしまうものだ。
非核化のための南北または北朝鮮と米国間の交渉では、時に険しい話が行き交い、有利な結果を得るための強気の態度もありうる。しかし、南北首脳が苦労して板門店宣言に合意したのに北朝鮮が約束を破るような行動をとるのは困る。南北高官級会談の開催直前に一方的に延期を通知したり、約束した韓国の記者たちの取材の見通しを不透明にしていることなどは望ましい交渉態度と見ることは難しい。不満や要求があるならば、交渉のテーブルに出てきて提起し、貫徹することが正しい。それが「正常な国家」に向かう道だ。豊渓里の行事が韓国メディアの参観の下ですべて行われるよう、北朝鮮当局の誠意ある措置を期待する。