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父親の知名度に苦しむ日本の河野外相

登録:2017-08-09 01:12 修正:2017-08-09 06:57
フィリピンのマニラで開かれたASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議に参加した河野太郎(上の右側)外相が記念撮影をしている=マニラ/EPA聯合ニュース

 「お父上はね…」

 フィリピン・マニラで開催されたASEAN地域安保フォーラム(ARF)外相会議に出席し、外交舞台に本格デビューした日本の河野太郎外相は、あちこちでこのような話を聞かなければならなかった。河野外相の父親は河野洋平元官房長官で、宮沢喜一内閣時代の1993年8月、日本軍慰安婦動員過程の強制性と軍の関与を認めた「河野談話」を発表した主人公だ。以降、村山富市内閣で外相を歴任した後、衆議院議長を務めた。

 3日に入閣した息子の河野外相は、若い時代、米国ジョージタウン大学で比較政治学を専攻し、米下院議員事務室でインターンとして勤務するなど、国際感覚を備えている。外交舞台で大きな足跡を残した父親の存在により、さらに注目を浴びている。

 中国の王毅外交部長は7日、初めて会った河野外相に「あなたのお父さんは正直な政治家だった。あなたが外相になったと聞いて、多くの人が期待を抱いた」と切り出した。しかし、「今日あなたの発言を聞いて、正直失望した。発言内容が完全に米国があなたに与えた任務のような感じだった」として、父親と比較しながら、直接批判した。王毅部長は、河野外相が南シナ海での中国の軍事拠点作りが「力を背景にした現状変更の試み」だと批判した発言を問題視したのだ。剛直な性格の河野外相も「中国には大国としての振る舞い方を身につけてもらう必要がある」と対抗した。

「河野談話」の主人公である河野洋平元官房長官//ハンギョレ新聞社

 ASEAN地域安保フォーラムで、河野外相に父親を言及した人は王毅部長だけではない。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は同日「日本の立派な政治家の河野洋平は日露関係にも貢献をしたと聞いている」と話した。ブルネイのリム・ジョクセン外相は「長い間外交の仕事をしてきたが、日本の外相の中では安倍晋太郎(安倍晋三首相の父親)と河野洋平が特に記憶に残っている」と話した。

 河野外相はマニラに到着した今月6日「(父の名声と人脈に)感謝しており、アセット(資産)として使わせていただきたい」と語った。しかし、日本のマスコミは彼が父親から譲り受けた資産を活用するのに困難を感じているようだと評した。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/806019.html 韓国語原文入力:2017-08-08 20:39
訳H.J(1185字)

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