韓米日首脳が6日午後(現地時間)、ドイツ・ハンブルクの米国総領事館で開かれた晩餐会を通じて、北朝鮮の核・ミサイル問題の解決策として共感したのは、「軍事的オプションなき平和的解決」だ。核施設やミサイル挑発の原点に対する先制攻撃といった軍事的措置は排除し、経済的制裁を強化することで、北朝鮮を対話のテーブルに座らせるというものだ。
「軍事的オプションなき平和的解決」は、先月末、ワシントンで開かれた韓米首脳合意の延長線上にある。北朝鮮の核・ミサイル挑発に対する対応が朝鮮半島における戦争危機を高める結果を招いてはならないという、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の一貫した主張が反映されたものでもある。このような解決策は「朝鮮半島の完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化を平和的方法で達成するため協力する」、「北朝鮮が正しい道を選択すれば、より明るい未来を提供する準備ができている」という文言として、3カ国首脳の共同声明に盛られた。
「平和的方法」の核心は、北朝鮮の態度変化を誘導するため、今よりさらに強力な経済的制裁と圧迫を加えるというものだ。共同声明はこれを「国際社会が北朝鮮との経済的関係を縮小する措置を取ることを要求」すると明記した。これに対し、3カ国首脳晩餐会に同席したカン・ギョンファ外交部長官は「最高の圧迫で、北朝鮮が経済的にこれ以上耐えられない状況を作り、非核化テーブルに座らせるという趣旨」だと説明した。北朝鮮に対する原油供給の中止などの処置を念頭に置いたものと見られる。
3国首脳らは晩餐で、北朝鮮核問題を解決するために、中国がより積極的な役割に乗り出すべきということに共感したが、これは共同声明で「北朝鮮と国境を接した国々が北朝鮮の説得に向けてより積極的な努力を傾けることを要求する」という文言としてまとめられた。3カ国首脳晩餐会が終わってから、翌日の明け方まで日米側と共同声明の内容を調整したチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は、「特定国家を名指しすることは外交的にも良くないという判断からだった」、とし、「中国とロシアの立場を考慮し、そのような表現を使うことで3カ国が合意した」と説明した。
中国の役割強化と関連し、ドナルド・トランプ米大統領は晩餐会の際、中国に対する追加措置に言及した。政府関係者は「トランプ大統領が『セカンダリーボイコット』(制裁対象国と取引した第3国の企業を一括制裁すること)を直接取り上げたわけではなかったが、北朝鮮と取引する中国企業や個人に対する追加的金融制裁などを強く示唆した」と伝えた。一部では、トランプ大統領が8日に予定された中国の習近平国家主席との首脳会談で「セカンダリーボイコット」や北朝鮮への原油供給の中断・縮小のような具体的提案をするという見通しも示されている。
国内のある中国専門家は「中国は北朝鮮を圧迫することには同意するが、それが中国に対する圧迫の形で示されていることに反発している」とし、「THAAD(高高度防衛ミサイル)問題に対し、硬直した立場を示しているのも、そのためだ」と話した。国立外交院のキム・ハングォン教授は「北朝鮮核問題の解決を名分に域内で『韓米日安保協力』が可視化すれば、これに対する中国の戦略的な懸念も大きくなるだろう」としたうえで、「中国としては、北朝鮮の挑発が地域安定のために必ず解決すべき問題であることには同意しているが、その解決策として中国に対する追加圧迫や韓米日安保協力が論議されることまで受け入れるのは、容易ではないだろう」と指摘した。
実際、中国の反発に対する懸念は、「3カ国首脳はそれぞれの同盟をさらに強化し、北朝鮮のいかなる攻撃についても、抑止及び対応能力を持続的に増強させていく」という共同声明の文言からうかがえる。チョン・ウィヨン室長は「既存の韓米同盟、日米同盟を指すもので、韓日同盟や韓米日3角同盟を念頭に置いたものではない」と話した。北朝鮮の核の脅威に対応するため、韓米日3角安保協力の強化を主張しながらも、これは、中国が懸念する「韓米日3角同盟」とは異なる性格のものである点を強調するための“折衷的”表現とみられる。