熱い日差しが照りつけた午後3時。ソウル鍾路区(チョンノグ)の政府総合庁舎前でベトナム人留学生ド・ウンオク・ルイェンさん(40)の声が響いた。韓国軍によるベトナム民間人虐殺問題の正しい解決を求めて開かれた今回の記者会見で、ルイェンさんは韓国人に送る手紙をゆっくりと朗読し始めた。「韓国に暮らし、韓国が日本を絶えず恨んでいることを知りました。いかなる目的であれ、他国に行って人を殺したら反省するのが当然なのに、日本政府はそうはしないようで、私もやはり怒りました…韓国の軍人によってベトナムの多くの民間人が生命を失ったことを反省するならば、韓国は真の先進国になることができると思います」。ルイェンさんは手紙を書いた理由を尋ねる質問に「ベトナム参戦軍人から『私もベトナム戦参戦軍人だ。将来、ベトナムに行ってハングルとテコンドーを教えたい』という話を聞きましたが、その時(ベトナム虐殺)犠牲者を思い出して、心があまりに痛み、手紙を書かなければならないと考えました」と説明した。
韓国ベトナム平和財団、アジア平和人権連帯など50あまりの市民社会団体は、この日「正しい大韓民国はベトナム戦争に対する省察から」という主題の記者会見で、韓国軍によるベトナム民間人虐殺に対して韓国政府が真相究明をはじめ責任ある姿を見せなければならないと要求した。記者会見文を代表で朗読したベトナム参戦軍人出身のミョンジン僧侶(72年、猛虎部隊派兵)は「韓国とベトナムが国交正常化して以来、ベトナムは『過去を閉ざして未来に行こう』という立場を堅持し、多様な交流を続けてきたが、韓国ベトナム国交正常化25年を迎え、初めて両国家間の歴史問題が水面上に浮上している」と明らかにした。
これに先立って文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月6日、顕忠日の追悼式で「ベトナム戦争に参戦した勇士の献身と犠牲を基に祖国の経済が生き返った」と発言すると、ベトナム外交部は6日後の12日(現地時間)に公式論評を出して「ベトナム国民の心を傷つけ、両国の友好協力関係に否定的な影響を与える発言と行動を慎むことを要請する」と明らかにした。韓国ベトナム平和財団をはじめとする団体は、これに対して「過去の民主政権時期に、植民支配と独裁政権下で起きた反民主的、反倫理的事件に対する真実を明らかにするために多様な過去事委員会が作られた」として「文在寅政府もやはりこれ以上遅くならないうちに韓国軍のベトナム民間人虐殺問題に対して国家次元の真相究明に乗り出すことを要求する」と明らかにした。