全国の各裁判所を代表する判事100人が19日、全国裁判官代表会議を開き、いわゆる「司法部ブラックリスト」疑惑を直接調査することを決議した。ヤン・スンテ最高裁長官に対して、調査権限の委任および最高裁事務総局次長と判事たちの使用したコンピューターを保存し、調査妨害者は職務排除することも要求した。ヤン最高裁長官は疑惑がさらに拡散することを防ぐためにも、彼らの要求を積極的に受け入れるべきだ。調査結果によっては、コ・ヨンハン前最高裁事務総局長はもちろんヤン最高裁長官の責任問題にまで飛び火し得るという点で、相当な波紋が予想される。
判事たちはこれまで、司法部の独立が揺らぐ度に、また内部の非民主的言動が露わになる度に集団的な声を発してきた。今回も「帝王的最高裁長官体制」を問題視する国際人権法研究会の学術行事を控えて、最高裁事務総局が圧力を行使したのが発端となった。真相調査委が調査に乗り出したが、最高裁事務総局長がブラックリスト関連のコンピューターの調査を拒否し、量刑委員会常任委員個人の責任に転嫁したため問題が大きくなった。全国の裁判所で次々と会議が開かれ問題提起がなされたのは、それだけ裁判所内部の積弊が深刻であったという意味であろう。徹底的な真相糾明により、8年前のシン・ヨンチョル当時ソウル中央地方裁判所長の裁判干渉事件のように竜頭蛇尾に終わらないようにせねばならない。
当初国際人権法研究会の学術行事を巡る葛藤は、最高裁の首脳部に対する判事たちの不信から始まった。 帝王的最高裁長官が問題になったのには「ヤン・スンテ最高裁判所体制」が国民的信頼を失ったことも一つの要因になったと言えよう。 特に朴槿恵(パク・クネ)政権になり、権力周辺で持ち上がった釈然としない行跡は司法部不信を呼んだ。キム・ヨンハン前民政首席の業務日誌に登場した「裁判所の飼い慣らし」や「裁判所の指導層とのコミュニケーション」などの表現は、大統領府と最高裁との不適切な取り引きの疑惑だけ残したまま覆われてしまった。大統領府民政首席と最高裁事務総局次長間の頻繁な連絡も同じだ。
裁判官たちは今回の会議で、国際人権法研究会弾圧と関連した最高裁事務総局の司法行政権乱用の責任糾明はもとより、全国裁判官代表会議の常設化も決議したという。代表会議が帝王的最高裁長官体制廃止と最高裁事務総局縮小など司法部の官僚主義を革新し、国民的信頼を回復する火種になることを期待する。