慶尚南道咸陽(ハミャン)で40代の男性が、警察の撃ったテイザーガン(スタンガン)に撃たれて亡くなった。2005年に警察がテイザーガンを使い始めて以来、人が命を失ったことは今回が初めてだ。これまで韓国でテイザーガンの危険性は提起され続け、米国や英国ではテイザーガンによる死亡事故が何回も発生し議論になったことがある。
慶尚南道地方警察庁は16日「慶尚南道咸陽郡のL氏(44)の自宅で15日夕方、L氏が咸陽警察署のある派出所に所属するC警衛(50)が撃ったテイザーガンに撃たれ亡くなった」と明らかにした。警察の説明を総合すれば、L氏は20年以上にわたり精神疾患を病んで何回も入院治療を受けていたが、この日は症状が激しくなりL氏の両親が息子を精神病院に入院させようとした。精神病院の車両を見たL氏が鎌を振り回し、L氏の母親が午後6時19分頃に派出所に電話をかけ助けを要請した。
申告を受けた派出所のC警衛とK警衛(52)が出動したが、イ氏を説得できず、咸陽警察署の警察官3人が追加で出動した。L氏が鎌を振り回し午後7時29分頃に刑事の1人がL氏にテイザーガンを撃ったが当たらず、L氏が一層興奮して警察官側に鎌を振り回して駆け寄った。C警衛が3メートルほど離れた距離でテイザーガンを撃ち、L氏の右腕と腹に当たった。テイザーガンで撃たれた後に異常症状を見せたL氏を119救急隊が病院に搬送したが亡くなった。
警察は2005年に米国のテイザー社が製作したテイザーガンを導入し、昨年までに2207回使用した。テイザーガンを撃てば、電線に連結された針2本が発射され、最大6.5メートル飛んで人体に刺さり、これを通じて5万ボルトの電気が人体に流れ気絶させる。致命傷を憂慮して顔や心臓に向けて撃ってはならないとして、14歳未満者、老弱者、妊婦にも使ってはならない。
オ・ドンウク慶尚南道警察庁強力係長は「正確な死亡原因を明らかにするためにL氏の遺体を解剖検査することにした。現場に出動した警察官を相手に対応過程の適切性を調査している」と明らかにした。