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大統領府“深い沈黙”…緊張感の中、終日国会の動きを注視

登録:2016-12-08 23:05 修正:2016-12-09 04:38
朴槿恵大統領に対する弾劾訴追案の国会の採決を翌日に控えた今月8日、大統領府が深い沈黙に陥ている//ハンギョレ新聞社

 国会の朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾訴追案の採決を翌日に控えた8日、大統領府は緊張感を隠しきれず、終日国会の動きを注視した。朴大統領の“政治的運命”が生死の岐路に立たされたが、朴大統領は6日、大統領府でセヌリ党指導部と55分間にわたり面談したことを除いては沈黙を守っている。

 大統領府関係者は8日午前、記者団に「(弾劾案の)可・否決を予断はできない。進行状況を注視する」と話した。朴大統領は前日「朴槿恵・チェ・スンシルゲート」国政調査聴聞会をテレビ中継で見ており、関連報告も受けたと、複数の大統領府関係者が伝えた。大統領府は当初、朴大統領が弾劾案の採決を控えて“最後の弁論”を発表する案も検討したが、言い訳に聞こえる恐れがあるうえに、国会を刺激しかねないと判断し、断念したという。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は弾劾案の採決を翌日に控えた2004年3月11日、記者会見を開き、弾劾問題に対する立場を明らかにした。

 弾劾案の採決を翌日に控え、野党とセヌリ党の一部からは、朴大統領が個別に議員らに電話をかけて、説得に乗り出すのではという見通しも示されていたが、大統領府のある参謀は「そのような動きはない」と話した。この参謀は「大統領が、すでにセヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表とチョン・ジンソク院内代表との面談で多くの話を交わした」として、「大統領が直接乗り出すよりは党指導部と党内の志を共にする方たちが意見を集約していると聞いた」と語った。

 朴大統領は9日、国会の弾劾案採決結果が明らかになり次第、公式の立場を表明する予定だ。具体的な形はまだ決まっていないが、可・否決にかかわらず、「大統領に対する弾劾」という状況がもたらされたことに対し、国民の前で謝罪する内容が盛り込まれる見込みだ。朴大統領は弾劾案が可決されれば、憲法裁判所の弾劾審判の過程で自分の無実を積極的に釈明するという方針を再確認するものとみられる。弾劾案が否決された場合は、朴大統領がセヌリ党の党方針だった「4月に退陣、6月に大統領選挙」を受け入れるかどうかが注目される。大統領府の内外では朴大統領が任期完遂に固執するよりも、「秩序ある退陣」のために4月に辞意を表明する可能性が高いと見られている。セヌリ党の李貞鉉代表が「弾劾案が否決されても、既存の党方針通り、朴大統領が来年4月の退陣を宣言すべきだ」と述べているのも、大統領の意中が反映された発言と分析される。これについて大統領府関係者は、「可決、否決など、まだ行われていないことについて予断するのは適切ではない。結果を見てから答えるべき部分」だとしながら、慎重な態度を示した。

 ただし、大統領府は弾劾案の採決を控えて、セウォル号事故当日の「ヘアセット」、チェ・スンシル氏による服・バック代金の代納疑惑や“賄賂罪”成立問題などが相次いで提起されたことについては、困惑している雰囲気だ。セヌリ党内の“穏健派”議員らが今回の疑惑をきっかけに弾劾賛成に転じるかもしれないと懸念しているからだ。

チェ・ヘジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/773940.html 韓国語原文入力:2016-12-08 21:24
訳H.J(1580字)

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