セップ・ブラッター国際サッカー連盟(FIFA)会長に対する内部倫理委員会による90日間資格停止の懲戒で、17年に及んだ天下が終幕を告げることになった。 ブラッターの後任を狙ったミッシェル・プラティニ・ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)会長も90日、チョン・モンジュン大韓サッカー協会名誉会長も6年の資格停止懲戒を受け、26日に締め切られる会長選挙候補登録は難しくなった。 FIFAは選挙局面で新たな混乱に陥ることになる。
英BBC放送は8日(現地時間)、「FIFA倫理委が背任の疑いでブラッター会長に対する90日間の資格停止を決めた」と報じた。 ブラッター会長は理論的に3カ月後の来年1月には復帰できる。 だが、FIFA会長の権威は地に落ち、スイス検察の刑事調査も行われているため復帰は容易ではない。 事実上、1998年にスタートしたブラッター会長体制は終焉を告げたと見られる。
倫理委はブラッター会長が2006年のFIFAのテレビ中継権を、当時のジャック・ワーナー北中米カリブサッカー連盟会長と契約してFIFAに損害を与え、2011年にプラティニ会長に200万スイスフラン(2億4千万円)を支払ったことも不当なものと見られている。 倫理委がこれまで聖域だったブラッター会長に対し懲戒に踏み出したのは、FIFAの組織内部ですらブラッター会長の影響力が衰退していることを反映したものだ。 ブラッター会長に対するスイスや米国法務当局の捜査圧力もますます強まっており、すでに拠り所がなくなった。
倫理委はプラティニ会長に対しても90日間の資格停止を下した。 プラティニ会長は「2011年にブラッター会長から受け取った金銭は1998~2002年ブラッター会長の諮問役を引き受け受け取ることにした報酬のうち、受け取れなかったものを遅れて受け取った正当な金銭」と主張している。 だが、倫理委はその釈明をまったく受け入れなかった。 プラティニ会長は懲戒を受けたため会長候補として出馬することはできない。 チョン・モンジュン会長も2011年に行われた韓国の2022ワールドカップ誘致活動過程で、FIFA執行委員にサッカー基金に関連した手紙を送ったことを問題にした倫理委により、この日、6年間の資格停止処分を受けた。 チョン・モンジュン会長の関係者は「直ちに再審請求する。 刑事当局の調査を受けているプラティニ会長とは根本的に違うので仮処分決定がなされれば登録することも可能だろう」と話した。
プラティニ会長とチョン・モンジュン会長の立候補が不可能になれば、ヨルダンのアリ・ビン・アル・フセイン王子が利を得ることになる。 アリ王子は5月のFIFA会長選挙1次戦で73票を得ている。ガーディアンはアジアサッカー連盟会長のバーレーンのシェイク・サルマン会長も出馬する可能性があると伝えた。 FIFA会長選挙は来年2月26日に行われる。 しかし、チョン・モンジュン会長は倫理委の決定に強く反発しており、プラティニ会長も潔白を主張しているため、当分不協和音は続くものと見られる。 また、ブラッター会長の職務代行として理事のイッサ・ハヤトウ副会長が指摘されているが、ハヤトウ会長も腐敗スキャンダルから自由ではなく、問題が一層こじれることも予想される。