本文に移動

安保法逆風の安倍首相、今になって東京オリンピック競技場白紙化

登録:2015-07-19 23:38 修正:2015-07-20 07:27
天文学的費用と奇妙なデザインが問題になったイラク出身の世界的建築家ザハ・ハディドの2020年東京オリンピック主競技場設計案//ハンギョレ新聞社

 「安保法逆風」を直面し支持率が急落した安倍政権の局面転換戦略なのか。安倍政権が“血税浪費”を指摘される2020年東京オリンピック主競技場建設計画を白紙から再検討すると宣言した。 「内閣支持率を意識した決定」という批判が提起される中で、「アベの政治」を巡る論点がまた増えた格好だ。

 安倍晋三日本首相は17日、「現在の(オリンピック主競技場建設)計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直すことを決断した」と明らかにした。東京の首相官邸で森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員長と会った後だった。 安倍首相は「費用が予想より大幅に増えて、国民とアスリートから批判があった」として、白紙化の理由を説明した。 彼は「1カ月前から計画を修正できるか検討を進めてきた」としながら「今日、オリンピック開催前までに(新しい主競技場を)完工可能という確信を得て決断した」と付け加えた。さらに「最大限に費用を抑制し現実的で最上の計画を立てる」と付け加えた。

 これにより天文学的費用と奇妙なデザインで俎上に上がったイラク出身の世界的建築家ザハ・ハディド氏の設計案は廃棄された。日本政府は6カ月以内に新しいデザインと建設業者を決める予定と明らかにした。

 日本では当初の1300億円程度から現在は2520億円に膨らんだ東京オリンピック主競技場建設費用が過度だという批判世論が高かった。 18日、共同通信が公開した世論調査を見ても、「競技場建設計画を修正しなければならない」という回答が93.7%で圧倒的だった。

 朝日新聞は「巨額の総工事費に対する世論の批判が強い状況でも計画修正に慎重だった安倍首相」が、突然立場を180度変えたことについて「世論に押されてあたふたと対応したという点は否定できない」と指摘した。

 親与党要人に分類される舛添要一・東京都知事も17日夜、自身のツイッターに「安倍首相は1カ月前から(競技場建設計画の)修正を検討していたと言ったが、それならなぜ6月29日には(総工事費2520億円もする)政府案を決めたのか」という文を載せ、白紙化の経緯に対する疑問を提起した。 彼はさらに「この程度の大きな政策転換をするには、大失策に到った経緯を検証し、責任者を更迭することは避けられない」と書いた。 また「主張の整合性より内閣支持率が優先なのか」として、安倍首相が支持率の急落を挽回するために今回の決定をしたという疑いを提起した。

 安倍政権は先月29日、「計画どおり競技場を建設する」として、東京都に建設費負担を要求してきた。 舛添都知事はこの日の記者会見でも「朝令暮改しないでくれと言いたい」として安倍政権を正面から批判した。

 一方、作家の澤地久枝氏(84)らの呼び掛けで18日昼1時に始まった安倍政権の安保法案強行処理に反対する抗議示威が、東京、京都、名古屋など日本全域の約1000カ所(主催側推算)で行われた。 澤地氏が構想し95歳の詩人の金子兜太氏が筆で書いた「アベ政治を許さない」の書は、この日の安倍反対デモの象徴に浮上した。 参加者たちはインターネットに上がったこの書ファイルを各自で印刷しデモ現場に集まりスローガンを叫んだ。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/700902.html 韓国語原文入力:2015-07-19 21:03
訳J.S(1553字)

関連記事