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大統領府のごり押しで分裂した光州5・18記念式

登録:2015-05-18 23:18 修正:2015-05-19 07:32
政府主導の5・18光州民主化運動記念式が18日午前、光州市の国立5・18民主墓地で開かれ(写真上)、同じ時間に遺族と5・18団体主導で光州市・錦南路の旧全南道庁前で別の記念式が開かれた(写真下) //ハンギョレ新聞社

 5・18民主化運動35周年記念式が「あなたのための行進曲」斉唱を巡る賛否のために政府側と市民社会側に分かれて開催された。 報勲処が主催した記念式は18日午前、光州(クァンジュ)市北区雲亭(ウンジョン)洞の国立5・18民主墓地で開かれ、5・18遺族および被害当事者は同じ時刻に東区・錦南路(クムナムノ)の旧全羅南道庁前広場で開かれた別途の記念式に参加した。 5月団体など地域市民社会が政府主管の5・18記念式への出席を公式に拒否したことは、1997年に5・18民主化運動が政府記念日に指定された以後初めてだ。

 5・18記念式がこのように二分された理由は、政府が5・18民主化運動の象徴といえる「あなたのための行進曲」に“従北”のレッテルを貼り、5・18記念曲に指定しないためだ。 光州地域の市民社会はもちろん、与党代表や国会議長までが記念曲指定を要求したが、国家報勲処は「国民統合を阻害しかねない」というあきれた理由でこれを拒否し続けている。 また「合唱は良いが斉唱はだめだ」という納得し難い論理にも固執している。

 報勲処がこのように市民団体と与野党政界の要求にも全く動じないのは、朴槿恵大統領と大統領府の頑強な反対のためだ。 朴大統領は今年3月、大統領府で与野党代表に会った席で5・18記念曲指定をしてほしいという文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表の要請を受けたが受け入れなかった。 これに先立って金武星(キム・ムソン)代表も2013年5月の党最高重鎮連席会議で「(『あなたのための行進曲』を) 5・18主題歌に選定すべきだ」と求めたが、何も変わらなかった。 朴大統領は就任初年度の2013年5月、5・18光州民主化運動33周年記念式に参加して「5・18精神が国民の統合と国民の幸福に昇華されなければならない」として統合を強調したが、統合どころか朴大統領と朴槿恵政権が記念曲指定問題に固執して5・18記念式を分裂させ傷つけて国民の統合を阻害しているわけだ。

 政界関係者はこの日、5・18記念式に参加して口々に政権の態度を批判した。チョン・ウイファ国会議長はこの日、国会事務総長、国会図書館長、立法調査処長、予算政策処長など国会の主要幹部と共に記念式に参加して「政府が肯定的で未来指向的に考えることを願い、国会決議を尊重するよう願う」と強調した。 国会が2013年6月27日の本会議で「あなたのための行進曲」の5・18記念曲指定を促す決議案を与野党合意で通過させたことに言及し政府を批判したわけだ。

 この日の記念式で「あなたのための行進曲」を最後まで共に歌ったセヌリ党の金武星代表も「(この歌は)斉唱すべき歌だと考える。今後も引き続き(政府を)説得してみる」と話した。新政治民主連合の文在寅代表も「政府は『あなたのための行進曲』を北朝鮮と関連させて、5・18を理念の枠に閉じ込め、また地域的に孤立させようとしている」として「5・18の偉大な歴史を守ることが民主主義を守る道」と朴大統領を批判した。

 セヌリ党ハ・テギョン議員は「報勲処が(歌に登場する)“あなた”が、あたかも金日成であるかのように歪曲している。否定的な認識に便乗して従北のレッテルを貼り付ける行動をしているパク・スンチュン報勲処長を更迭しなければならない」と主張した。

5・18民主化運動35周年記念式が開かれた18日午前、光州市の国立5・18民主墓地で与野党の金武星代表(右から2番目)と文在寅代表(右端)が「あなたのための行進曲」を歌っている。政府のチェ・ギョンファン首相代行(左から2番目)らは歌わなかった //ハンギョレ新聞社

ソク・ジンファン記者、光州/チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/691735.html 韓国語原文入力:2015-05-18 21:39
訳J.S(1739字)

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