2月のエジプト・コプト教徒21人斬首を機に国際社会に刻印
今年からイラク、シリア続き、本格的な勢力拡散地として注目
1700の武装勢力が乱立...イスラム国の成長に最適の条件
テロを拡散しているイスラム国(IS)の手がついに韓国にまで及んだ。
リビアの首都トリポリにある韓国大使館に12日加えられた武装攻撃がイスラム国によるものと推定されたことで、全方位的なイスラム国のテロ闘争から韓国も例外ではなくなった。
■リビアでのイスラム国の勢力拡散
リビアは今年に入ってから、イスラム国の本拠地であるイラクとシリア以外の最初の本格的な勢力拡散地として注目されてきた。カダフィ政権がアラブの春に触発された内戦で崩壊した後、リビアは現在、1700の武装勢力が乱立した中で泥仕合の内戦が続いている。昨年以降、イスラム圏でイスラム主義武装勢力の代表格として浮上したイスラム国(IS)は、どんぐりの背くらべのような泥仕合の内戦が起きるリビアで、武装勢力に魅力的な“ブランド”に成長した。今年の初めから、現地武装勢力がISの支部を自任して勢力を広げており、ISもリビアに向け武装隊員を派遣する状況が確認された。
リビアのISの存在が国際社会に知られたのは、今年2月にエジプトのキリスト教徒コプト教教徒21人を集団処刑した事件だった。エジプト政府は翌日の16日、リビアのISの根拠地として知られているデルナの訓練場と武器貯蔵庫を爆撃した。エジプトのシシ大統領が16日の爆撃後、「リビアで起きていることは、国際平和と安全保障への脅威である」として、国際社会のリビアへの介入を促すなど、リビアにおけるISの勢力拡散が国際問題に浮上した。
IS勢力がリビアにいつ潜入したのかは不透明である。シリアで活動していたISの部隊であるアル・バタル旅団の隊員たちがISのリビア支部を設立したという分析がある。昨年12月、米軍はISがリビア東部で訓練基地を建てたという証拠があると発表した。ところが、現地状況からすると、リビア現地の武装勢力がISの支部、すなわちフランチャイズ化しているものと見られる。
昨年下半期からデルナがISの拠点として浮上した。デルナのいくつかの武装勢力がISへの忠誠を誓い、市内で行進と集会を開いた。イスラムでカリフを僭称する指導者アブバクル・バグダーディも彼らの忠誠を歓迎し、受け入れた。その後、デルナでISを自称する勢力の行進と集会が度々行われた。
韓国大使館が襲撃されたトリポリも、今年に入ってISのテロ闘争が行われたところである。今年1月のトリポリ都心部で起きたコリンシアホテル攻撃事件は、リビアでISの本格的テロ攻撃として評価される。ISが犯行宣言を発表したにもかかわらず、トリポリ駐在政府は、自分たちと正統性を争っている、トブルクを本拠地した勢力の仕業だと一蹴し、ISを事実上放置した状態だった。
■1700の武装勢力が乱立しているリビア内戦
現在リビアはカダフィ政権崩壊後、無政府状態が続いている。形式上の政府も二つ存在しており、互いに正統性を争っている。その一方は、2012年の選挙を通じて成立したトリポリ駐在政府である。国民会議(GNC)として知られて議会をもとに成立した政府は、イスラム主義勢力であるムスリム同胞団が支配しており、カダフィ政府を倒した重要な武装勢力であるミストラ軍閥と提携している。
しかし、昨年夏に行われた選挙で世俗的主義的な民族主義勢力が掌握した議会が成立した。国際社会は、この議会にリビアの合法的正統性があると承認した。しかし、国民会議は、これを拒否し、新しい議会勢力をトリポリから追い出した。この新しい議会勢力はトブルクを本拠地としている。トブルクを掌握した政府勢力は、トリポリ空港や石油施設を攻撃して全面的内戦を引き起こした。ほとんどの国がトブルク駐在政府を承認しているが、トルコとカタールは、トリポリ駐在政府を承認している。
1700の武装集団が乱立しており、正統性のある中央政府が存在しないリビア内戦の状況自体が、ISにとって成長に最適な条件である。ベンガジに拠点を置く有力な強硬イスラム主義武装集団であるアンサール・アルシャリーアも、最近勢力が弱体化されてほとんどの隊員がISに編入されたと伝えられている。
内戦に疲れた住民や群小武装勢力が、事態を収束に向かわせてくれそうな強い勢力の方に投降稿する現象が現れる可能性もあり、ISの勢力拡散はさらに有利になる見込みだ。シリアとイラクでもISはこうした現象によって成長したからである。
韓国語原文入力:2015-04-12 17:49