『アラーの私生児 IS』
マイケル・ワイス・ハサン著
キム・ジョンウ、イ・イェラン、パク・ジミン訳
ヨンニムカーディナル刊・1万7000ウォン
イスラム国(IS)がこれまでのイスラム主義武装勢力と異なる点は、世俗的なスンニ派勢力と結合した点だ。すなわち極端なスンニ派イスラム主義勢力が、イラク戦争でアメリカによって打倒されたサダム・フセイン勢力と結合し、急速に準国家的力量を確保した。 本書はイラク戦争の渦中で始まったザルカウィとアルカイダのイラク支部から現在のイスラム国の誕生と生存までを追跡する。 著者はイスラム国を「腐敗した政府とテロリストの相互寄生」と規定する。 全世界から駆せ参じる志願者は、単純な社会からの落伍者のみならず、犯罪者、軍需業者、無神論日和見主義者、現地部族勢力住民、熱情的なムスリムなどを包括している。 これらの人々が集まってイスラム国を成り立たせている。 青少年隊員には性的奴隷を配り、わいろを利用しながら部族勢力を分裂させ、各国から駆せ参じた疎外された青年たちには金と特典を握らせる。
何よりも決定的な勢力はフセインのバース残党勢力だ。彼らがイスラム国の武装力と統治力を確保する主軸だ。 これはもちろんスンニ派イスラム主義勢力がスンニ派とシーア派の軋轢を煽った結果だ。イスラム国家に関する専門書のうち、最もアップデートされた内容で、ディテールも豊富だ。