高齢層は血液中のビタミンDの濃度が正常数値より低いと、認知症ばかりか、その前段階となる軽い認知障害に罹る危険が高まるという研究結果が出た。軽い認知障害は記憶力が落ちて生活に不便を体験し、正常な日常生活はできるが認知症ではない状態をいう。
京畿道盆唐(プンダン)市のソウル大病院のムン・ジェフン、イム・ス、チャン・ハクチョル内分泌内科教授チームとキム・キウン精神健康医学科教授チームは、同城南(ソンナム)市に住む65歳以上の高齢者412人を5年かけ追跡観察した結果、血液中のビタミンD濃度が低いほど5年後に軽い認知障害から認知症へと進む確立が高まることが明らかになったと発表した。今回の研究結果の論文は国際学術誌の『臨床内分泌学』最新号に載せられた。
研究結果によると、血液中のビタミンD濃度が10ng/ml未満で大きく不足する集団に属した人は、ビタミンD濃度が20ng/ml以上で正常に属す人に比べ、5年後に軽い認知障害や認知症を進行させる危険が2倍も高かった。今回の研究では人の認知機能およびビタミンD濃度に影響を与える喫煙、飲酒、高血圧、糖尿、脳卒中などと同じ要因をすべて考慮して分析した結果である点に意味がある。
ムン・ジェフン教授は「ビタミンDが不足すると認知症の危険が高まるという既存の研究結果に加え、軽い認知障害の発生にもビタミンDの不足が主要な危険要素になりうることが確認された」と話した。イム教授は「ヨーロッパや海外の研究結果で確認されたビタミンDと認知機能の関連性が国内でも確認された。ビタミンD不足は認知障害だけでなく心臓および血管疾患の危険性も高めるので、ビタミンDの重要性を見逃してはならない」と指摘した。
ビタミンDは日光の紫外線を通じ体内で作られ、骨と免疫系健康には必須だ。だが、日光に露出する時間が短くなったうえ紫外線遮断剤の使用が増え、ビタミンDが不足した人が増え続けている。特に高齢者は紫外線をビタミンDに切り替える効率が落ち、室外活動が少ないためビタミンD不足になる危険が高い。専門医は一日15分程度日光を浴び、牛乳や青魚を摂取してビタミンD不足を予防すべきだと注意を勧告する。
韓国語原文入力:2015.02.17 20:38