執権後、初の国外訪問…朴大統領の訪問は未確定
金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記が5月9日にモスクワで開かれる第2次世界大戦勝利70周年記念行事への出席に肯定的な反応を示したとロシアのタス通信が21日(現地時刻)報じた。金正恩第1書記のロシア訪問が確定すれば、2011年末の執権後初めての外国訪問になる。 朴槿恵(パク・クネ)大統領も勝利記念行事への招請をロシアから受けたが、出席は決まっていない。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はこの日、モスクワ市内の外務省庁舎で開かれた年頭記者会見で勝利70周年記念行事に金正恩第1書記を招請したことと関連した質問を受け、「最初の信号形式の肯定的回答が届いた」と話したとタス通信がこの日伝えた。このことから北朝鮮が口頭形式で金第1書記の出席意志をロシアに明らかにしたものと見られる。 これに先立ちロシアは昨年12月、金正恩第1書記をはじめ世界各国の首脳に勝利行事への招請状を送った。
ラブロフ外相は昨年11月にもチェ・リョンヘ北朝鮮労働党書記に会った後の記者会見で、朝露首脳会談の可能性を明らかにしたことがある。タス通信は勝利記念行事に金第1書記の他にも習近平中国国家主席など約20カ国の首脳が受諾意思を明らかにしたと伝えた。
金第1書記のロシア訪問が最終的に確定すれば、北朝鮮の最高指導者が多国間の舞台にデビューする珍しい事例となる。また北東アジア情勢に及ぼす影響も少なくないものと見られる。 第一に、朴槿恵大統領がロシアで、南北首脳会談あるいは記念式行事出席の形ででも、金正恩第1書記に会う“ビッグイベント”が実現するかに最大の関心が集まる。勝利70周年行事には金第1書記のみならず朴槿恵大統領も招請を受けた。 これと関連して大統領府高位関係者は「現時点ではロシアの招請に応じるかを公式に議論したことはない」として「まだ何も決定されていない」と明らかにした。
第二に、朝露首脳会談を媒介とする朝露関係の急速な進展が予想される。 金第1書記がモスクワを訪問すれば、当然ウラジミール・プーチン大統領との首脳会談を行うことになる。 金第1書記の執権後、初の首脳会談相手がプーチンになるわけだ。 プーチン大統領と共に各国首脳と一挙に会うことにより、北朝鮮としては外交的孤立から離脱する契機になりうる。 ロシアも北朝鮮との接近を通じて、北東アジアに対する影響力を拡大することができる。 羅津(ナジン)-ハサン鉄道連結プロジェクトなど、朝露経済協力も早まる可能性がある。 これを通じて韓朝露三国が協力する方式で韓国資本を引き込む場合、プーチン大統領が野心満々で掲げた“新東方政策”にも弾みがつく。
第三に、金第1書記のロシア訪問が、北朝鮮の核問題とチャン・ソンテク前国防委副委員長の処刑などで疎遠になった北朝鮮と中国の関係にどんな影響を及ぼすかも関心事だ。 金第1書記がロシアを初の訪問地、そして首脳会談相手に選択することになれば、中国には痛恨の外交的傷になりうるためだ。 金第1書記の最大の策略もここにあると見る専門家たちが多い。
もちろん、金正恩第1書記のロシア訪問はまだ最終確定したと見ることはできないが、金正恩第1書記が大胆な対外政策を展開すると明らかにした点から見て、モスクワ訪問を受諾する可能性が高いという見解が多い。