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第2のセウォル号を防ぐ「国民安全処」は軍人事一色

登録:2014-11-18 22:00 修正:2014-11-19 06:28
仁川市延寿区松島洞にある海洋警察庁の本庁看板が18日午前撤去されている。政府組織改編により海上警察は19日スタートする国民安全処海洋警備安全本部に編入される。仁川/ニューシス

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が国家の災害・安全関連業務を総括することになる新設長官と次官の席をすべて軍出身者で満たした。公務員の人事を総括する席には、自身の大統領選挙キャンプで仕事をしたサムスングループ人事チーム長出身の人物を選んだ。

 大統領府は18日「朴槿恵大統領がセウォル号事故を契機に新設される国民安全処長官候補者に海軍大将出身のパク・インヨン元合同参謀次長(62)を内定した」と明らかにした。 パク候補者を補佐することになる国民安全処次官には、陸軍中将出身のイ・ソンホ現安全行政部2次官(60)が内定した。

 海軍士官学校28期出身のパク候補者は、海軍第3艦隊司令官と教育司令官、作戦司令官を経て合同参謀次長を務め、陸軍士官学校33期出身のイ次官内定者も三つ星の将軍出身で、陸軍3軍団長と合同参謀軍事支援本部長、国防大学校総長を歴任した。 災害・安全分野のコントロールタワーをそれぞれ海軍と陸軍出身の「作戦・戦術専門家」に任せたわけだ。 ミン・ギョンウク大統領府報道官は、パク候補者の抜てきの背景について「一線指揮官および人事と戦略、教育など多様な職責を経験して、組織管理能力に優れ汎政府的な災害管理のコントロールタワーとして発足する国民安全処を導く適任者と期待されるため抜てきした」と話した。

 安全不感症にともなう事故を予防し、災害・安全に関連した種々の分野の構造を改革しなければならない役割を、すべて軍出身者に任せるのは不適切な人事という批判は免れそうにない。 社会構造が複雑化し、国家的災害・安全システムを総括することもやはり多様な分野の専門知識と協業が重要であるためだ。 軍出身の人物は指揮体系に基づく迅速な対応には強みがあるが、事前予防と点検はもちろん安全分野に対する全般的なシステム再整備および政策立案や執行に適合した人事とも見難い。

 結局、上司の命令に服従する組織文化に馴染んだ軍出身者を好む朴大統領の人事スタイルが今回の人選にもそのまま再現されたものと見られる。 国民安全処とは別に、大統領府で災害・安全分野を総括する国家安保室長も前任のキム・ジャンス室長に続き4つ星の将軍出身であるキム・クァンジン室長が受け持っているのもこのような理由と無縁ではない。 朴大統領は長官級である新政府初の国家情報院長と警護室長もそれぞれ軍出身であるナム・ジェジュン前院長とパク・フンニョル現室長を抜てきした経緯がある。 野党の新政治民主連合パク・スヒョン 代弁人は「国民安全処人事はセウォル号以後に安全で新しい大韓民国を作るための核心組織であるのに、端的に言えば安保と安全も区分できない常識以下の人事」と話した。

 朴大統領はこの日、長官級の公正取引委員会委員長にチョン・ジェチャン元公正取引委副委員長(58)を内定し、新設される次官級の人事革新処長にはイ・グンミョン元サムスン電子人事チーム長(62)を内定した。 イ内定者は朴槿恵大統領選挙キャンプの国民幸福推進委員会で仕事をし、政府がスタートする前には大統領職引継ぎ委員会で専門委員を務めた。

 空席だった大統領府教育文化首席秘書官にはキム・サンニュル淑明女子大学英語英文学部教授(54)、国民安全処中央消防本部長にはチョ・ソンレ消防防災庁次長(57)、国民安全処海洋警備安全本部長にはホン・イクテ警察庁次長(54)、統一部次官にはファン・ブギ統一部企画調整室長(55)、行政自治部次官にはチョン・ジェグン安全行政部地方行政室長(53)、防衛事業庁長にはチャン・ミョンジン国防科学研究所専門研究委員(62)、国民権益委副委員長にはキム・インス国民権益委企画調整室長(50)を内定した。 チャン・ミョンジン防衛事業庁長内定者は朴大統領と西江大学電子工学科の同期生だ。

ソク・ジンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/665123.html 韓国語原文入力:2014/11/18 21:06
訳J.S(1800字)

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