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香港史上最大の「雨傘革命」で懸念される天安門の悪夢

登録:2014-09-30 01:15 修正:2014-09-30 07:22
28日、香港政府庁舎近隣の路上で「2017年香港行政長官選挙を中国政府の介入がない完全な直選制にしなければならない」と要求するデモ隊が、警察の催涙液発射に対抗して雨傘を開いて対峙している。 香港/ AP連合ニュース

行政長官 自由直選制を要求
6万人集会…都心地域マヒ

 警察の催涙液とこん棒に雨傘で対抗する香港市民の人波。 中国中央政府による香港行政長官(香港の最高指導者)選挙への介入方針に対抗して完全な自由直選制を要求する香港市民たちの“雨傘革命”が香港都心を覆っている。 香港を統制下に置こうとする中国政府と、政治的自由の拡大を要求する香港市民の熱望が正面衝突して、中国の“一国二制度”の原則が岐路に立った。

 前日に続き大規模集会が続いた。 最大6万人が集まった今回のデモは、1997年に香港が中国に返還された以後、最大の規模に達した。 この日、政府庁舎と金融機関が密集している香港都心のセントラル(中環)をはじめ湾仔、 旺角など主要地域はマヒした。 香港上海銀行(HSBC)、スタンダードチャーター銀行など香港の大型銀行17行は、デモ隊が占拠した都心の29支店を暫定閉鎖したと『明報』等の現地メディアが伝えた。 香港教育局はセントラルと湾仔などの小・中・高校に臨時休校令を下した。 この日の事態の余波で香港証券市場は1.9%下落した。 香港当局は都心を運行する200余りのバス路線が正常運行できずに迂回したと発表した。

 政界のデモ支持、参加宣言も相次いだ。 アラン・ロン香港公民党主席をはじめ23人の立法会(香港議会)議員は「市民の不服従運動を支持し、梁振英 行政長官の辞任を要求する」声明を出した。

28日、香港政府庁舎近隣の道路をいっぱいに埋め尽くした数千名の市民が‘2017年行政長官選挙の完全直選制’を要求しデモを行っている。 香港/AP連合ニュース

 今回の事態は、中国の香港統治原則であり台湾との統一方案でもある一国二制度原則を試験台に立たせた。 鄧小平は社会主義中国の中でも香港の高度自治と経済的自由を保障する一国二制度原則を提案し、英国から香港返還を引き出した。 だが先月、中国当局が2017年に初めて実施される行政長官選挙の候補者を親中国系選挙人団の過半数の支持を得た人物に制限したため、香港市民は香港自治原則のき損だと反発してデモに出た。

 中国当局は今回のデモを不法と規定し、強硬対応方針を再確認した。 華春蛍 外交部スポークスマンは29日「中央政府は香港で法秩序と社会安寧に反する違法行為に強力に反対する」と明らかにした。 親中国系の政治家である葉劉淑儀(レジナ・イップ)議員は『サウスチャイナ モーニングポスト』に「政府は今回の事態が‘ミニ天安門デモ事態’になる可能性を憂慮している」と話した。

北京/ソン・ヨンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/657453.html 韓国語原文入力:2014/09/29 21:27
訳J.S(1329字)

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