慶尚南道密陽に立つ76キロワット送電塔69本の組み立てが完了した。 だが、これに反対する住民たちは補償を拒否し、集会を開くなど送電塔建設を巡る摩擦は静まる気配を見せない。
韓国電力密陽送電線路建設特別対策本部は23日「丹場・山外・上東・府北・清道面など密陽市5か面に設置する69本の鉄塔全ての組み立てを完了した」と明らかにした。 韓電は11月末までに送電塔と送電塔の間に電力線を連結する架線工事を終え、新古里(シンゴリ)原子力発電所1・2号基で生産される電力の試験送電を12月初めに開始し、今年末には商業運転に入る計画だ。
ペク・ジェヒョン韓電密陽特別対策本部長は「残った事業も安全に進め、年末までに終える。 密陽地域の葛藤解消のためにより一層努力して、密陽地域の発展にも最大限協力する」と明らかにした。
だが、この日午前11時、送電塔建設に反対する住民約200人は密陽市庁前で韓国電力糾弾大会を開き、「私たちは汚いお金と公権力が立てた鉄塔をただの1本も許していない。 鉄塔を全て撤去するまで団結して戦う」と声を高めた。 密陽765キロワット送電塔反対対策委員会も声明を出し「私たちは密陽の戦いが終わっていないことを宣言する。 韓電が住民たちに加えた暴力と不利益に対する応分の代価を払う日まで屈せず戦い続ける」と明らかにした。
韓電は蔚山(ウルサン)市蔚州(ウルチュ)郡の新古里原子力発電所3・4号機で生産される電力を慶尚南道昌寧(チャンニョン)郡の北慶南変電所に送るために90.5キロ区間に送電塔161本を立てる「新古里原子力発電所-北慶南変電所間756キロワット送電線路建設事業」を2008年から進めている。 だが、住民2人が自ら命を絶つなど、丹場・山外・上東・府北面など密陽4か面住民たちは送電塔建設を阻むために強力に抵抗した。 このため送電塔建設事業の完了時点は計画より4年ほど遅れた。 しかし自殺した住民の葬式はまだ行われておらず、反対住民を買収しようとした情況が新たに露呈するなど送電塔建設を巡る葛藤は消えていない。