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韓国格安航空の価格破壊にプレミアム社も割引で対抗

登録:2014-09-09 16:52 修正:2014-09-10 08:16

 5年前にソウルでの職場生活を終え済州島(チェジュド)に帰農したキム氏(53)は、最近「9~10月済州路線の航空券を片道3万ウォン(1ウォンは約0.1円)台で販売」という“格安航空会社”(LCC)の広告を見て笑ってしまった。 仕事の関係でソウルへたびたび行くキム氏は、格安航空会社のいわゆる“平日余裕時間帯”を活用して普段から2万~3万ウォン台で航空便を利用してきたためだ。 この価格帯は空港利用料と燃油割り増し料金を全て含んだものだ。

ある格安航空会社のソウル~済州路線料金表 資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国内に5社ある格安航空会社は、黄金路線の場合、ほとんどが午前6時~午後7時の時間帯に各社10便余りの定期便を投じている。 定期便は乗客がいてもいなくても定刻通り運行しなければならない高速バスと同じだ。お客さんが多い週末には満席になるが、平日は半分も席が埋まらず運行されるのが常だ。

 格安航空会社は大型航空会社(別名プレミアム航空会社)とは異なり“価格破壊”を通じて競争する。 そのため正規料金もプレミアム社に比べて35~50%安く設定されている。 金浦(キンポ)~済州(チェジュ)路線の場合、週末料金(金~日)は9万3千ウォン(空港料・燃油割り増し料を含む)で、12万2千ウォンであるプレミアム社に比べて25%程度安いが、平日となれば話は別だ。 プレミアム社の平日正規料金は7万~9万ウォン台だ。 これに比べて格安航空会社は平日の正規料金は6万5千ウォンだが、日付別・時間帯別に最低は1万7千ウォンから5万9千ウォンまで価格帯が千差万別だ。

 キム氏はソウル行きの予定ができれば、一か月前から5社の格安航空会社のサイトを全て見比べる。 ほとんどの場合、午前11時~午後2時台に2万~3万ウォンの座席があるはずだ。 旅行会社の団体乗客がキャンセルされた場合、午後4~5時台にも同じ価格帯の座席が出てくる。 運が良ければ2万ウォン以下でもソウルへ行ける。 実際に今月4日午前にある格安航空会社のサイトを見ると、平日である9月24日午後3時5分発の金浦~済州路線が1万7500ウォンで出ていた。 もちろんこの価格帯もほとんどが当日の午後になればすぐに品切れになる。

 最近、格安航空会社が特価イベントをたびたび行うのは、駆ける馬にムチを加える意図と解釈できる。 ある格安航空会社の職員は「飛行機の座席は出発と同時に在庫品が根こそぎ無くなる販売構造」という言葉で業界の雰囲気を伝えた。

 格安航空会社の価格破壊は、単一機種投入、狭めの座席間隔、補助空港使用などを通した“お得な旅行戦略”が合致した結果だ。 ボーイング737型機の場合、プレミアム社の座席数は138席であるのに対し、格安航空会社では183席だ。 前後33インチの座席間隔を30インチに減らした結果だ。

 2005年にティーウェイ航空が初就航した後、2009年まで1%内外を記録してきた格安航空会社の国内線市場占有率は、7月にすでに50%を超えた。 単純搭乗客数だけで計算しても航空機一便あたりの搭乗客が2010年の134人から昨年には150人を突破した。

 今年前半期、格安航空会社5社の営業実績は好況そのものだ。 まだ資本蚕食状態にある一部の航空会社も、今年前半期は全て1千~2千億ウォン台の売上に数十億ウォンの黒字を記録した。常時特価イベントの無視できない成果だ。 平均150席を記録中の座席販売率を高めるために、わずか1座席でも安い価格で多く売るということだ。

 格安航空会社の販売技法にプレミアム社も割引イベントで対応している。2~3か月前に事前割引販売する“アーリーバード”は文字どおり格安航空会社の専有物と認識されているので、プレミアム社は次元が違う特別イベントを見つけなければならない。 アシアナ航空が8月19日から28日まで実施した“火木デー”イベントもこうして始まった。火~木曜日の間、金浦・仁川(インチョン)~済州路線に対してインターネットとアプリを通じて航空機一便あたり40席限定で2万9千ウォン~3万4千ウォン台という“半額セール”を実施した。 アシアナは先月の行事に効果があったと判断して、今月22日から1週間インターネットを通じて半額イベントを実施している。

チェ・イクリム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/654478.html 韓国語原文入力:2014/09/09 14:37
訳J.S(2024字)

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