6月30日 教養つかの間読書
朝鮮戦争の再探求
沈志華 著、キム・ドンギル 訳
ソンイン・4万9000ウォン
朝鮮戦争研究の権威者が書いた専門学術書だ。 著者は中国と旧ソ連の1次資料を根拠に‘中-ソ関係と朝鮮戦争’、その過程で北朝鮮-中国-露の三国の協力と葛藤を糾明する作業で独歩的成果を上げてきた。 著者は「朝鮮戦争に対する長年の研究の決定版」と自評したこの本で「朝鮮戦争は実質的にはソ連の援助と支持を受けた中国と、アメリカとが行った戦争だった」と規定した。
著者が見るには‘中-ソ友好同盟条約’締結(1950年2月)と朝鮮戦争は不可分の関係だ。 スターリンは当初、戦争支援を拒否した。 しかしソ連の太平洋側の出口である長春鉄道と不凍港である旅順港を中国に返すことにした同盟条約締結後に態度を変えた。 スターリンは戦争で金日成が韓半島を掌握すれば、太平洋側の出口などアジア戦略の核心利益が保証されると見た。
毛沢東は多数の反対をはね除けて参戦を決めるが、これを通じてスターリンの疑問を解消し、同盟条約が実効を発揮するようにし‘新中国’の安定・発展の保証を得ようとした。 中国の参戦以後、中-ソ同盟は強固になった。 要するに初期の中-ソ同盟の安定は、同盟条約ではなく朝鮮戦争を契機に形成されたということだ。 この点がこの本の独自の見解であり新たな成就だ。
ただし、韓国の朝鮮戦争に対する研究成果が十分に反映されておらず、中国(人)の視角が目につく点には留意する必要がある。
イ・ジェフン記者 nomad@hani.co.kr