IT先頭走者ら、ライバル企業を応援
‘三星(サムスン)’はパンテックに投資し資金難を救う
「後発企業が役割を果たしてこそ
市場を育て、新たなビジネスチャンスが生まれる」
‘独占’袋叩きを避け、寡占維持の内心も
「弟よ! 頑張れ。」情報技術(IT)業界で業種別に‘兄貴’の役割を果たす市場占有率筆頭企業等が‘弟’(後発企業)の不振と落馬可能性を心配して眠れなくなっている。 弟の善戦を祈り、風除けの役割を自ら願い出るかと思えば、持分投資を通じて資金難を救ったりもしている。
23日、業界関係者たちの話を聞いてみれば、SKTはKTの善戦を熱心に応援している。 特にファン・チャンギュKT会長の奮闘を待ち望んでいる。 SKTのある高位役員は「昔のようにKTが善戦してこそ通信市場と業界構図が安定する」と話した。 実際、SKTはこの頃KT側に立ってLGU+を牽制する姿を見せるケースが多い。
NAVERはDAUMコミュニケーションとカカオの合併に対して「積極的に歓迎する。DAUMカカオの成功を期待する」と公然と話している。 DAUMとカカオが合併すれば、NAVERが緊張すると言われていた予想とは全く異なる反応だ。 NAVERのある役員は「マーケティング現場でDAUM側の人々に会う時も、DAUMカカオがうまくいって欲しいと話している。 するとあちらは‘そのような意味で今回の件は譲歩しなさい’と冗談を言ったりもする」と話した。
三星(サムスン)電子はLG電子とパンテックの不振にやきもきしている。 早く頑張って競争相手の姿を備えてくれることを切に願っている。 特に最近ではパンテックがスマートフォン市場から落伍するのではないかという心配が大きい。 すでにパンテックの資金難を減じるために投資までした。 三星電子が競争企業の資金難を助けるために直接投資までしたのは異例のことだ。
相手の側から見れば嫌みに見えるかも知れないが、筆頭事業者は一様に‘真心’だと強調する。 筆頭業者関係者はおおむね「後発企業はライバルだが、ペースメーカーでありパートナーでもある。 たびたび国外市場で標準を先行獲得したり政府の規制に対抗する時にはチームになって二人三脚で競技をしなければならなかったりもする。 後発企業が本来の役割を果たしてこそ生態系を拡張させ市場を育て、新しいビジネスチャンスを生み出すこともできる」と話した。
もちろん‘腹黒い’内心もある。 後発企業等と占有率を適当に分け合い、激しく競争する姿を見せることにより、市場独占論議を避け、逆に安定した寡占状態を維持して実利を取ろうという下心が代表的だ。 後発業者を前面に出して、政府規制の強度を下げ、政府や国民から鞭打たれる時には後発業者とともにふくらはぎを差し出す方式で苦痛を減じる効果も期待できる。 情報技術業種の特性上、1位だけが生き残り、残りは枯死せざるを得ないが、社会的にはこれが容認されないので、後発企業を前面に出す戦略を使うと見ることができる。
実際、移動通信市場の場合、KTが30%台序盤の加入者占有率を固く守っている時は市場が安定した姿を見せた。 だが、イ・ソクチェ前会長時期にKTが力を失い、その隙に乗じてLGU+が割って入ってきて加入者争奪戦が激化した。 その結果、SKTは加入者占有率50%を守ることが容易でなくなり、補助金競争のために営業利益も大幅に減った。 SKTのある役員は「長期的にLGU+がより手強い競争相手になると見る。 イ・ソクチェ前会長が会社をきちんと経営できなかったために我々がこうむった被害が大きい」と話した。
NAVERの場合には、‘独占’袋叩きを単独で受ける状況を避けたいという下心がある。 NAVER関係者は「NAVERの主力事業はポータル、検索、プラットホームなので、やむを得ず優越的地位を持たざるを得ない面もあり、DAUMとSKコムズなども事業内容が似ているのに市場支配力が大きいという理由で一人で非難対象になってきた。 DAUMカカオが善戦して、このような負荷も分散して欲しい」と話した。 三星電子も同じくLG電子とパンテックのおかげで独占論議を避けられてきた。 だが、LG電子のスマートフォン事業が振るわず、競争相手にならなくなっている状況で、パンテックまで落伍すれば独占論議を避け難い。
キム・ジェソプ記者 jskim@hani.co.kr